ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ独学読書ノートNo.65 『マンガ ジョージ・ソロス』黒谷薫 パンローリング ー抜粋24箇所

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『マンガ ジョージ・ソロス

   黒谷薫

    パンローリング

 

 

 

「これが戦争だ。

 戦争では

 あらゆる

 無法なことが

 起こる!

 通常の

 ルールなど

 通用しないんだよ!」

 

 

「ジョージ、

 君の父さんが

 この別荘を

 売っちゃったって

 本当なの?」

「そうだよ。

 ドイツ軍が来たら

 財産なんて

 没収されて

 しまうんだ。

 だったら

 お金や食料に

 変えておいたほうが

 いいだろう。

 それに

 父さんの

 一生の財産は

 頭の中にあるのさ」

 

 

「なぜ

 泣いているんだね?」

「あんな

 ひどいことが

 起こっているのに……

 何もできない

 自分が

 悔しくて」

「君の

 言う通りだよ!

 だが

 この戦争も

 もうじき

 終わる。

 それまで

 頑張るんだ。

 そして

 今の気持ちを

 いつまでも

 忘れては

 いけないよ!」

 

 

「開放的な社会は

 それが

 いかに

 不安定で

 危険でも

 閉鎖的な社会より

 優れているんだ」

 

 

「実験することの

 できる理論だけが

 科学的な理論

 なんだよ。

 壮大な

 哲学体系を

 編み出すには

 独創的な考えを

 持たなくては

 いけない。

 だが

 君は

 まだ若い。

 これからも

 世界の動きを

 注意深く

 観察し

 どう機能しているか

 解明するんだ。

 それが

 我々

 哲学者の

 使命だよ」

 

 

・私たちの

 世界に対する

 理解は

 本質的に

 不完全だ。

 我々の予測と

 実際の状況は

 大きく

 かけ離れている。

 この矛盾が

 物事の展開に

 大きく

 影響する。

「私は

 この理論を

 相場の世界に

 応用する。

 世界相手に

 私の正しさを

 証明してみせる」

 

 

「ジム、

 ジム・ロジャーズ!

 どこだ?

 何だ、

 このデスクは!

 ジム、

 君は

 会社で

 仕事しないで

 どこへ

 行っているんだ?」

「私は

 自分の目で見て

 耳で聞いて

 情報を

 集めるんです。

 書類仕事なら

 電車の中でも

 できますから」

 

 

「市場は

 常に

 不安定で

 連動的なものです。

 投資家は

 株価を

 予想するのに

 合理的秩序

(効率市場仮説)を

 用いますが……

 市場には

 合理的な

 秩序など

 一切

 存在しません。

 なぜなら

 現実の世界では

 不完全な

 理解しか

 得られないからです。

 そして

 この

 投資家の持つ

 不完全な理解……

 先入観

(バイアス)が

 実際の展開に

 影響を及ぼし

 株価を

 上下させます」

 

 

「まず

 先入観は

 自己強化し

 株価を

 押し上げます。

 さらに

 トレンド

(市場の動向)は

 相互に

 作用し合い

 投資家の予想に

 影響を与え

 過熱します。

 しかし

 投資家の先入観と

 実際のギャップは

 常に

 存在します。

 その

 ギャップの状態には

 大きく

 二つのタイプがあり、

 互いに

 かけ離れているのに

 状況が

 安定しているときは

 株価も

 安定しています。

 しかし

 状況が

 不安定で

 コントロール不能になり

 投資家が

 それに

 ついていけないとき……

 株価は

 暴落します」

 

 

 

 

 

・私は

 市場の混沌に

 魅了されている……。

 混沌の中から

 金を生み出すことに……。

 

 

「なぜ

 ウォール街

 じゃなくて

 ここ

 なんですか?」

「まず第一に

 我々は

 破滅(ウォール)

 したくない」

「第二に

 彼らのように

 群衆を

 追いかけることに

 興味はない。

 我々は

 彼らとは

 違う道を

 行くんだ」

「第三に

 違うだけでは

 駄目だ。

 正しくなくては

 いけない」

「そして

 第四は

 自宅に近いこと!」

 

 

「実は

 今日

 妻と

 離婚したんだ。

 それで

 何となく

 ふらふら

 していてね」

「そうだったんですか。

 ……離婚の原因は

 何なんですか?」

「私の仕事だよ。

 忙しすぎた。

 家庭を

 かえりみる

 余裕がなかった。

 妻や

 三人の子どもたちに

 十分な愛情を

 注げなかったんだ」

「あなたは

 大金を

 稼いでいる

 ファンドの

 経営者でしょ。

 自分の成功を

 楽しめないのなら

 何のために

 生きているんです」

「君の

 言う通りだ。

 今までの私は

 自分のことで

 手一杯の

 エゴイストだった。

 今度のことで

 よく

 わかったよ。

 だが……」

「だが?」

「言うは易し

 行うは難しだ」

「ふふ、

 正直な人ね」

「少しずつ

 変えていくよ。

 ステップ・バイ・ステップだ」

 ただ

 金を

 稼ぐだけでは

 駄目だ。

 どう使うか

 を考えなくては……。

 

 

・この頃には

 ファンドの

 稼ぎ高に伴い

 投資先も

 増えていった。

 規模の増大と

 共に

 スタッフも

 増えることになる。

 しかし、

 ロジャーズは

 そのことに

 反対だった。

 彼は

 4人分の

 仕事をこなし

 オーバーワークが

 続いていた。

「誰にとっても

 人を信じて

 任せることは

 難しいわ」

「だが

 それ以外に

 打開策はない。

 私にとっても

 ジムほど

 お互いのことを

 わかり合える

 パートナーは

 いないんだが……」

 

 

「ジム、

 もう限界だ。

 このままでは

 私たちが

 仕事に

 押しつぶされてしまう。

 段階的に

 チームを作って

 部下に

 任せるようにしないと

 やっていけないよ。

 私は

 徐々に

 仕事の量を

 減らし、

 いずれ

 後継者に

 後を任せたい

 と考えているんだ。

 君が

 そうなってくれれば……」

「私には

 無理だ。

 私には

 人を使いこなす

 能力はない。

 自分でも

 よく

 わかっている」

 

 

「彼は

 非科学的な方法で

 市場の不確実性に

 対処するんだ」

 

1人の子どもとつながる支援プログラム

 

「自由変動相場に関して

 彼は

『短期的レート変動は

 転換点で最大になり

 トレンドの定着に従って

 小さくなる』

 と言っている。

 この

 新しい

 ゲームのルールに

 誰よりも早く

 気がつくのが

 彼の

 すごいところだ」

 

 

「相場の公式は

 過去の出来事を

 分析するのには

 有効だが、

 予測には

 役立たない。

 相場の

 ルールの変化に

 いかに素早く

 対応するかが

 肝心なんだ」

 

 

「彼が

 言いたかったことは

 市場は不完全で

 人間が考え出したものは

 すべて

 本質的に

 欠陥があり……

 自分自身も

 間違った考えを

 持っているかも

 しれない

 ということだ」

「……」

「その考えに立てば

 どんな事態が

 起ころうとも

 動じることなく

 対応できる

 ということだ」

 

 

「世間が

 どう言おうと

 彼は

 ファンドを

 守ったんだよ。

 負けを認めるのは

 早ければ早いほど

 良い。

 損失を承知で

 行動に出るには

 大変な勇気がいる

 と思う」

 

 

「私たちの文明は

 他人の利益より

 自己の

 欲望の追及の上に

 成り立っています。

 それが

 人間の性だし、

 競争社会の

 原則だからです」

 

 

「それに

 慈善事業には

 人を

 堕落させる

 力がある。

 受け取る側にも

 与える側にもです。

 人びとは

 信念よりも

 金をもらう方法を

 見つけることに

 頭を使うようになり、

 財団は

 そんな人々に

 利用されまいと

 厳密な規則を

 作ることになる。

 だが、

 私の活動は

 個人の救済

 というよりも

 グループや社会そのものを

 変えることが

 目標なんです」

 

 

「人々が

 自由に発言でき、

 自ら

 目標を追求し、

 治めることのできる

 社会、

 そのために

 私は

 自分の金を

 使おうと

 思うんですよ」

 

 

「自分の判断が

 正しい

 と思ったときには、

 それを

 最大限に

 利用するんだ」