ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.157 『村人の三つの願い』タルムードより

 

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《村人の三つの願い》

 

 

 

 ある村に

 貧しいけれど

 謙虚で

 真面目に

 暮らしている

 夫婦がいた。

 その夫婦の元に

 予言者エリジャが

 貧しい身なりで

 現れた。

 エリジャが

 一杯の水を

 乞うたところ、

 その夫婦は

「さぞかし

 お困りでしょう。

 お茶と一緒に

 パンを

 是非

 食べていってください。

 良ければ

 今夜の夕食も

 いかがですか?」

 と、家に招き入れた。

 そして、

 夕食には

 可能な限りの

 料理を作って

 エリジャを

 もてなした。

 夕食の席で

 予言者エリジャは

 その村人夫婦に

「お礼として

 三つの願いを

 叶えましょう」

 と言った。

 夫婦は喜んで

「家が

 あまりにも

 狭く

 小さいので

 できれば

 大きい家に

 住みたいです。

 また

 服装も

 あまりに

 貧しいので

 立派な服が

 着たいです。

 それに

 貧乏で

 暮らしが大変なので

 金貨も

 欲しいです」

 と言った。

 翌日

 夫婦が

 目を覚ましてみると

 自分たちの

 住んでいる家は

 みすぼらしい小屋から

 広々とした庭に囲まれた

 大豪邸に

 変わっていた。

 着ている服は

 すべて

 豪華な衣服に、

 そして

 有り余る金貨が

 机の上に置かれており、

 エリジャの姿は

 消えていた。

 三年後、

 予言者エリジャは

 また

 その村に戻ってきた。

 今度も

 非常に貧しい姿だった。

 そして

 あの村人夫婦を訪ねると

 家には

 高い塀が

 張り巡らされて、

 門番が番犬を連れていた。

 エリジャが

「一杯の水をください」

 と言うと、

 この門番は

「お前のような者に

 やる水はない」

 と言って

 犬をけしかけようとした。

 犬の吠える声を聞いて

 出てきた

 家の主人は

 エリジャの

 貧しい姿を

 一目見ると

「さっさと

 立ち去るが良い」

 と言って、

 くるり

 背を向けて

 家の中に

 入ってしまった。

 エリジャは

「金持ちになると、

 貧しい者への配慮を

 すっかり

 忘れてしまった。

 貧しい時には

 優しい心を

 持っていたのに

 なんということか」

 と言うや否や

 一度は叶えた望み

 三つをすべて

 取り上げてしまった。

 翌朝起きると、

 村人夫婦は

 また

 小さな小屋に

 ボロ着をまとって、

 金貨一枚もない生活に

 戻ってしまった。

 その後も

 夫婦は生涯

 貧しいままだった。

 

 

・どんなに

 裕福な金持ちで

 あっても

 助け合いの心を

 持たない

 人間は

 豪華な料理に

 塩がないのと

 同じである」

 

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