ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.138 《七匹の太った牛と七匹の痩せた牛》タルムード

 

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《七匹の太った牛と七匹の瘦せた牛》

 

 

 

 ある時、

 エジプトのファラオは

 夢を見た。

 ナイルのほとりから

 七匹の

 丸々と太って

 体格のいい

 屈強な

 牛が現れた。

 その牛たちは

 ナイルに生えている

 植物を食べていた。

 ところが、

 ファラオが

 立ち去ろうとすると

 その七匹の

 健康極まりない

 太った牛の後ろから、

 同じく七匹の

 ガリガリに痩せこけて

 あばら骨が見える、

 いかにも不健康そうな

 牛が現れて、

 なんと

 その太った

 屈強な牛たちを

 食べてしまったのである。

 

 ファラオは、

 この夢が

 どういうお告げなのかと

 国中の預言者を集めて

 聞いたが、

 誰もわからない。

 たまたま

 その時

 牢屋に閉じ込められていた

 一人のヘブライ人が、

 夢をよく当てるというので、

 ファラオの前に

 召し出された。

 このヘブライ人こそ

 後に

 エジプト最高執政官になる

 ジョゼフである。

 ジョゼフは、

 時代の流れを

 正確に読み解いた

 人類史上最初の経済学者とも

 言われている。

 ジョゼフは

 ファラオに向かって、

 夢の解釈を

 このように告げた。

「エジプトに

 これから七年間

 大豊作が訪れます。

 その間は

 豊作に次ぐ豊作で、

 驚くほど

 大量の穀物がとれ、

 大豊作となるでしょう。

 しかし

 その後の七年間は

 大飢饉が訪れます。

 何の作物も育たず

 一粒の小麦も取れないほどの

 大飢饉です。

 人々が

 大豊作のことを

 思い出したくても

 思い出せないほどの

 恐ろしい大飢饉が

 七年間も続きます」

 

 ファラオは

 ジョゼフを

 最高責任者に任命して

 七年間の大飢饉に備える

 対策を講じさせた。

 ファラオが

「どんな対策を

 考えているのか」

 と聞くと、

 ジョゼフは、

「豊作の七年間に

 毎年の収穫を

 食べ尽くしてしまわずに、

 可能な限り貯蔵しなさい」

 と進言した。

 ファラオは

 その通りにし、

 穀物

 可能な限り倹約して

 貯蔵した。

 豊作の七年が過ぎ、

 八年目に

 予言通りの

 大凶作が

 訪れた。

 その大飢饉は

 エジプト全土を

 覆い尽くすのみならず、

 全世界にまで及び、

 七年もの間

 人々を苦しめた。

 そして

 多くの周辺諸国

 大飢饉により

 その富のすべてを

 失ったが、

 ジョゼフの進言を取り入れた

 ファラオのエジプトだけは、

 蓄えていた穀物

 長き受難を

 乗り越えられたのである。

 

 

・豊かさの次には

 必ず

 大貧困が襲ってくる。

 良いことの次には

 必ず

 非常に悪いことが起こる。

 

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