ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ独学読書ノートNo.56 『BUGS』原作七月鏡一 漫画藤原芳秀 ー抜粋10箇所

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『BUGS』

原作 七月鏡一

漫画 藤原芳秀

 

 

 

「明日も

 そうして

 震えていたかったら、

 闘って!

 殺して!

 生き延びろ!」

 

 

「人間の歩幅は

 長くて70cm。

 つまり

 進行方向に

 70cmの範囲を

 観察すれば、

 入り乱れた

 足跡からでも

 人数は見えてくる。

 コツはいるがね……」

 

 

「生まれて

 初めて

 人の命に

 照準を合わせて

 トリガーを

 引いた。

 後悔は

 してない……

 任務だからな……

 なのに、

 不思議だ……

 あれ以来、

 手が震えるんだ……」

 

 

「なあ、

 俺たちは

 あいつらみたいな

 もんだ……

 地べたを

 這いずって……

 自分たちが

 何処へ

 向かっているかも

 見えてない、

 ちっぽけな虫……

 けど

 虫にだって

 意地とか

 プライドとか

 あるんじゃないか……?

 自分たちの

 やってることが

 くだらないなんて……

 誰にも言わせない……」

 

 

・始まりは、

 2週間ほど

 前だった。

 夏休みに

 入ったばかり

 山で遊んでいた

 分校の子どもたちが、

 泣きながら

 帰ってきて

 言った。

「かいぶつがでた。

 かいぶつが

 ともだちを

 さらっていった」

 村中

 総出で

 山狩りを

 始めた。

 クマか

 野犬か

 イノシシか……

 猟友会に

 入っている者は

 散弾銃を

 担ぎだした。

 3人

 死んだ。

 怪我人が

 5人。

 翌朝、

 今度は

 向こうから

 やってきた。

 何百という

 群れが……

 なぜか

 その日から

 電話が通じなくなって……」

 

 

「そして

 こう言った。

『私たちは

 君たちを

 助けに

 来たんだ』」

「そして

 そんなものを

 かぶらされた……?」

「あいつが

 言った。

『虫こそは、

 適応力も

 集団性も

 人間以上の

 生物』……

『彼らから

 学ばなければ、

 生き延びることは

 出来ない』って……

 奇妙なんだ。

 最初は

 脅されて

 嫌々だったのに。

 今じゃ

 あいつを

 本気で

『指導者さま』と

 呼ぶ者までいる。

 仲間を

 カマキリの

 エサにしろ

 って命令にも

 逆らう奴はいない。

 みんな

 だんだん

 自分の心まで

 失っていった」

 

【まんが王国】

 

「昔、

 アメリカの

 スタンフォード大学

 奇妙な実験をした。

 ランダムに

 集めた

 人間を、

 看守役と囚人役に

 振り分けて、

『監獄ごっこ』を

 やらせたんだ。

 やがて、

 看守役は

 本物の

 暴力的な

 支配者と化し、

 囚人役は

 本物の

 囚人同様

 卑屈になり、

 本物の

『監獄』が

 そこに生まれた。

 実験は

 たった

 6日で

 中断された。

 人は

 状況に

 適応する。

 でも

 同時に、

 たやすく

 状況に

 支配されもする。

 連中が

 そのマスクで

 やったのが

 それだ。

 あんたたちから

『個人の意志』

 ってものを

 奪った。

 だったら

 あんたは

 自らの意志で

 そいつを脱ぐことから

 始めるんだ」

 

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スズメバチ

 意思の伝播に使う

 フェロモンは、

 おおむね

 三種の化学物質の

 組み合わせから成る。

 スズメバチ

 毒嚢からは、

 十数種類の

 化学物質が

 採取されるが、

 おおむね

 2-ペンタノールを

 軸にした、

 三種の組み合わせと、

 近年判明した」

「誰だ?」

「その三種の

 比率だけで、

 “警報”

 “狩り”

 “餌場のマーキング”

 “仲間の認識”

 まで

 やってのける。

 つまり

 虫にとって

 “匂い”こそが

 “言語”ということだ。

 理解できるか?

 自衛隊

 

 

「ハチの

 フェロモンを

 構成する

 科学物質は、

 揮発性が高い。

 死んで

 恒常性が

 失われると、

 たちまち

 大気に

 散ってしまう。

 時間が勝負だ。

 腹部の毒嚢と、

 頭部の大顎腺からの

 内容物を、

 遠心分離機にかけ、

 数種類の

 化学物質を

 抽出する。

 虫にとっては

 “匂い”こそが

 “言語”だ。

 化学物質の

 混合比率は

 何億通りに

 及ぶ。

 試行錯誤で

 “危険・近づくな”

 という

 意味合いの

 警告フェロモンを

 よくやく

 作った。

 ろくな

実験器具もない

 こんなところで

 よくやったろう」

 

 

「ふざけるな!

 あんた

 人間嫌いだろ?

 孫のこと以外は

 虫の話ばかりだ。

 そんな人間は

 たいてい、

 自分自身が

 嫌いだ。

 だから

 簡単に

 自分を見捨てろ

 なんて言う」

 

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