ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.104 『堕天使達のレクイエム』尾崎豊 角川書店 ー抜粋5箇所

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『堕天使達のレクイエム』

   尾崎豊

    角川書店

 

 

 

「ねぇ、

 愛って

 何?」

 その言葉に

 答えなど

 あるはずもなく、

 ただ

 それは

 彼女が

 体に巻き付けた

 薄汚れた

 シーツに

 こぼれ落ちて

 光をも弾いて

 闇を

 生み出していた。

「幸せになること

 じゃないかな」

「そっか……。

 そっか……。

 ごめんね。

 あなたまで

 巻き込んじゃって」

「構わないさ」

 そのために

 僕らは

 存在していたんだ。

 失うことの

 正直さだけが

 僕らの

 本当の姿だった……。

 僕は

 そう思ったことを

 口には

 しなかった。

 愛欲は

 悲しみの中に

 意味を

 無くし

 消滅してゆく。

 

 

・そのうち

 僕も

 必ず

 ナイフを

 持って

 歩くように

 なったよ。

 ナイフを持って

 歩くと、

 不思議なことに、

 逆に

 そういう連中が

 寄ってこなくなった。

 向こうが

 僕を殺すって

 いうんなら、

 その前に

 一撃で

 相手を

 しとめてやる。

 そう

 決めていたんだ。

 それが

 向こうにも

 分かるんだろうな。

 ガキの喧嘩じゃないんだ。

 殺し合いなんだからね。

 

 

・形にならないものを

 ひとつひとつ

 記録してゆくことだけを

 毎日

 続けた。

 もう

 孤独の幻想に

 悩むことはなかった。

 ただ

 真夜中に

 ふと

 目を覚ます時、

 何ひとつ

 形にならないことに

 寂しさを感じた。

 僕は

 このまま

 ずっと

 独りきりで

 生きてゆくのだろうか……。

 真夜中に

 祈り続けたこともあった。

 それから

 何度か

 死んでしまおうかと思った。

 そして

 護身用に買った

 ナイフを

 手首にあててみた。

 その時

 思い返してみたんだ。

 僕に

 拳銃を突きつけた

 ゲイの連中は

 寂しさに

 打ちひしがれていたんだろう。

 薬の売人は

 せっぱつまった生活に

 追い立てられる

 孤独に

 苛まれていたのだろう。

 何もかも、

 誰も皆、

 孤独の中にいる。

 それを

 確かめ、

 知ることが

 この旅の

 目的であり

 行方だったんだ。

 僕は

 最後の言葉を

 書いた。

 

 昨夜眠れずに

 失望と戦った

 昨夜眠れずに

 欲望と戦った

 人は皆

 孤独と戦っている。

 

 

・ずいぶんの間、

 誰にも会わずにいたから、

 今の僕には、

 あたり前のことが

 とても新鮮に思えるよ。

 

 

・昨日までのことを

 忘れるために

 生きてきた訳でも

 なければ、

 明日を

 夢見るためだけに

 生きてきた訳じゃない。

 今日っていう日を

 精一杯

 生きることが

 全てなんだ。

 重々しい暮らしの思いを

 蹴飛ばしながら、

 僕は

 やっていくんだろう。

 

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