ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.142 『デボラの闘い』タルムードより

 

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《デボラの闘い》

 

 

 

 ある村に

 デボラという

 美しい娘がいた。

 裕福な両親に育てられ、

 デボラは

 ユダヤ人として、

 きちんと

 ユダヤ教の教えである

 トーラーを学んでいた。

 

 年頃になった

 デボラは、

 両親の選んだ青年と

 結婚することになった。

 しかし、

 結婚式当日の夜、

 新郎が

 突然死してしまった。

 それから何年か経ち、

 デボラは

 また親の選んだ

 素晴らしい青年と

 結婚することになった。

 ところが、

 結婚式当日の夜、

 またも新郎が

 突然死してしまった。

 そして、

 なんと

 三度目の結婚式でも

 新郎が

 結婚式当日の夜に

 死んでしまった。

 デボラは

 結婚を諦めかけた。

 

 その後しばらくして、

 親戚の息子が

 遠い村から来て、

 デボラの両親に

 たいそう気に入られた。

 すると、

 その男性は

「デボラを

 嫁にしたい」

 と言ってきた。

 両親は

 過去に三人も

 新郎が亡くなっていることを

 彼に話し、

 何とか

 思いとどまらせようとした。

 しかし、

 彼は

「私は

 神に対して

 誠実で

 気に入られています。

 そんなことは

 起こりません」

 と食い下がった。

 それで

 両親も折れ、

 デボラとその男性は

 結婚することになった。

 

 神は

 その結婚式当日、

 その男を

 天国に召し上げるため、

 使いの天使を

 地上に寄こした。

 死の天使は

 新郎に向かって

「私と一緒に

 きてもらいたい」

 と天国への旅立ちを

 促した。

 そこへ、

 今度こそは

 と待ち構えていた

 デボラは

 いきなり

 割って入った。

「あなたが

 今まで

 私の新郎を

 奪っていった

 死の天使ね。

 天に戻って

 神に伝えて」

 デボラは

 大きな声で

 死の天使に

 こう告げた。

「トーラーによると

 男は

 結婚したなら

 花嫁と一緒に

 いるべきだと

 書かれています。

 したがって

 神は

 私の花婿を

 天国に

 連れていくことは

 できません」

 死の天使は

 驚きました。

「なんと、

 お前は

 神の決定に

 異議を唱え

 議論を挑むのか」

「そうです。

 トーラーには

『男が結婚した場合には

 仕事よりも

 家庭を優先して

 妻と一緒にいるように

 しなくてはならない』

 と書いてあります。

 結婚式の夜に

 私の夫を

 天国に拉致するのは

 この教えに反します。

 トーラーの教えは

 神が作ったものでは

 ないのですか。

 神は

 自分の作った教えを

 踏みにじるのですか。

 それなら

 私は

 神を被告として

 宗教裁判所に訴えます」

 このように

 一気に述べて、

 デボラは

 死の天使を

 睨みつけた。

 ますます驚いた

 死の天使は、

 慌てて

 天国に一人で戻り

 神に相談した。

「デボラは

 神様を

 法廷に引きずり出す

 と言っています。

 法廷で決着をつける

 と言っていますが、

 どうなさいますか」

 神は

 困った顔で言った。

「うーむ、

 まいった。

 デボラのところには

 もう行かなくて良い。

 他の娘のところに

 行け」

 こうして

 デボラは

 愛する夫を

 死の手から

 取り戻し、

 末永く

 幸せに暮らした

 ということだ。

 

 

・権力者にも

 臆するな。

 日頃から

 議論の勉強を積め。

 

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