ひょっぽこ読書記録No.50 『僕は君の「熱」に投資しよう』佐俣アンリ著 ダイヤモンド社 ー抜粋39箇所
『僕は君の「熱」に投資しよう』
ベンチャーキャピタリストが
挑発する7日間の特別講義
佐俣アンリ著
・これから
僕が
君に
話すのは、
この
資本主義の
世界における
「究極の成功」
についてだ。
この机で
語られることを
知る前と
知った後では、
世界のことが
まるっきり
違ったように
見えてくる
かもしれない。
この机の前に
座る
登場人物は
ふたりいる。
投資家と起業家だ。
投資家の
仕事は、
世界の金を
動かすこと。
企業や
金融機関、
エンジェル投資家たちから
出資を募り、
それを
才能ある
起業家に
投資するのが
仕事だ。
そして
起業家は、
この世界
そのものを
動かす。
ITや
医療など、
世界の常識を
大きく
変えて
進歩させる
事業を
つくるのが
仕事だ。
いいか、
この
資本主義の
世界を
今の姿に
しているのは、
いつも
この
ふたりの
人間なんだ。
投資家と起業家の
対話を
聞いていれば、
この
世界は
誰が
変えているのか、
どのようにして
変わるのか、
そして
成功とは
何かが
理解できるようになる。
・彼らの
仕事について、
僕は
よく、
車を
つかった
たとえ話をする。
起業家は、
新しい車を
つくる。
投資家は
その車に
入れるための
ガソリンを
調達してくるのが
仕事だ。
そして
起業家と投資家は
同じ車に
乗って、
新しい世界を
見に行く
旅に出る。
今の世界は、
この
ふたりの
旅の先に
できたものなんだ。
・君は
いつも、
自分の目標に
100%の
熱を
ぶつけられる
人間たちに
気後れしてきた
かもしれない。
そして
自分も、
人知れず
探してきたんだ。
自分の熱源を。
行き場のない
熱の矛先を。
今も、
いつかは
それが
見つかるだろう
なんて
思っている。
でも
それって
いつだ?
なかなか
決まりそうも
ないじゃないか。
何となく
まわりに
合わせて、
聞こえの良い
企業に
就職しようとか
思っていたりしてさ。
なんなら
今
ここで
決めてみないか?
・才能が
人を
起業家に
するんじゃない。
行き場のない
妄想でも
何でもいい、
熱が
人を
起業家に
するんだ。
起業というのは、
熱で
できているんだ。
・別に
起業しろ
って言いたい
わけじゃない。
起業に
向いていない
人だって
大勢いるし、
起業家が
偉いわけでもない。
アートでも、
社会活動でも、
スポーツでも
何でも、
君の熱が
存分に
発揮されれば
それでいい。
若く
強い
熱を
持っていて、
それを
発揮しようと
している
君が
何かを
実現する
ということが、
君にとって
もっとも
大切だ。
・企業とは
事業を起こすことに
他ならない。
世の中には、
誰も
気付かないほど
ニッチな事業で
巨万の富を
得ている
起業家もいれば、
ほどほどの
収益だが、
自分の
趣味と仕事を
両立できるような
事業を行い、
人生を
楽しんでいる
起業家もいる。
・人に
称賛されるような
大成功を
しなくても、
人知れず
ほどほどの
成功さえ
していれば
食っていくことが
できる。
プロ野球選手のように
戦力外通知が
あるわけでも
なければ
怪我をしたら
終わりということも
ない。
年齢制限もない。
うまくいかなければ
事業を変え、
また
成功を
追いかけることが
できる。
・夢に生きることを
選択肢として
君の人生の
テーブルに
並べたとき、
その夢を
「見続けられるかどうか」は
重要な
判断基準に
ならないだろうか?
夢は見ることより、
見続けられることのほうが
はるかに
重要だ。
その点で
起業家は、
非常に
良い選択肢になる。
「ごみでも
かんがえたら
うれる」
少し前、
ある小学1年生の
少年が
「シーグラス」を
メルカリで販売し、
ネットメディア
『バズフィード』で
紹介されるほど
話題になった。
シーグラスというのは、
海に捨てられた瓶などの
ガラスが、
波によって
砂や岩で
削られ、
美しい石のように
なったもののことをいう。
この少年は
香川で出会った
猟師に、
「シーグラスが
高く売れる」
ということを
教わって、
それを
実際に
メルカリで
1000円で
売ってみせた。
この少年の
行動こそが、
起業家にとって
必要な
唯一のスキル
といってもいい。
起業に
興味がある人ほど、
メディアの報道や
起業セミナーを
真に受けてしまって、
始める前に
二の足を踏む。
難しく考えず、
まずは
メルカリで
ガラクタを
売ることから
始めればいい。
小学1年生でも
できるんだ。
楽勝だろ?
・起業、
さらには
事業を
つくる上で
重要なことは、
世の中にある
「価値のズレ」に
気付くことだ。
「起業のアイデア」
ではなく、
「世の中の
価値のズレを
見つける」
「せどりの
アイデアを
考える」
となれば、
誰でも
思いつきそうなものだ。
起業は、
まず
そうした
ハードルの
低いところから
始めていくのが、
無駄に
二の足を踏まない
コツといえるだろう。
・アジトにいる
起業家に、
僕が
口癖のように
言っているのは、
「まず
規模を
100倍にしろ」だ。
とどのつまり、
起業のアイデアなんて
どうでもいいのだ。
君に
熱があって、
やってみたいことが
見つかれば
それで十分。
あとは
それを
100倍の規模で
やるだけだ。
今の世界は、
起業家が
ただの思いつきを
100倍の規模でやった
結果で
できている。
・どんな思いつきでも、
とにかく
とんでもない
大きさに
してしまえば、
それが
事業になり、
まとまった金を
生む。
・普通の人なら
1つ2つ買って
少し儲ける程度だが、
成功する起業家は
売れるとわかれば
一気に購入し、
まとまった金に
変えてしまうのだ。
・これに対し、
失敗しがちな
起業家が
よくやるのが
「クオリティを
担保するために、
まずは
小さく
始めてみようと
思います」
というものだ。
この段階で
この起業家は
ほぼ100%
失敗する。
ゼロの起業家が
着想した
アイデアなんて、
よほど
優れていないかぎり
全部
ゴミみたいなものである。
・起業で成功するためには、
まず
「規模にアプローチ」
しなければならない。
頭を使うんじゃない。
手と足を使って
100倍にするんだ。
それが
もっとも
手っ取り早く
アイデアが
事業化できるかを
試すことができる
唯一の方法だ。
規模を変えてこそ、
わかることが
あるんだ。
・気付けば
僕は
投資家になり、
学生時代からの
仲間であり、
僕の
投資先にも
なっている
起業家たちは
『フォーブス』誌の
表紙を飾り、
世間に知られる
つくった。
そして、
学生の頃に
優秀だった人たちは、
外資系やメーカーを辞め、
今や
彼らに
雇用される側に
なっている。
スタートは同じ、
普通の学生だ。
それが
たった10年で
これほどの
差がつく。
この差を
もたらした
要素は
ふたつある。
ひとつは
今は
起業家にとって
“そういう時代”だ
ということ。
もうひとつの要素は、
この差が
「能力の差」ではなく、
「選択の差」によって
生まれている
ということだ。
・どこで頑張るか。
・どんなに
全速力で
駆け上がっていても、
そこが
下りエスカレータだったら、
階段を
普通に
上がっている人にも
負けてしまうかもしれない。
その努力は、
効率が悪い。
例が
少し
極端かもしれないが、
結果を出すには、
正しい努力を
行う前に、
まず
「正しい場所」に
いることのほうが、
はるかに
重要なのだ。
成功の
9割は
場所で決まる
といっても、
過言ではない。
・進学校の
トップ集団の中に
いるだけで、
成績は
イマイチでも
世間的には
「そこそこ
優秀な人」
になれる。
これを
僕は、
ドラゴンボールにおける
「クリリン効果」
と呼んでいる。
という
キャラクターの
戦闘力は
どう考えても
Z戦士の中では
最弱の部類に
属する。
おそらく
サイヤ人の
ベジータに
指先だけで
負けるような
やつだ。
しかし
クリリンは
地球人の中では
紛れもなく
最強だ。
彼を
人類最強にしたのは、
宇宙最強を
目指す
異常な集団である
Z戦士
という
環境にある。
宇宙最強の中で
切磋琢磨していれば、
地球最強になんて、
なれて
当たり前なのだ。
・人間というものは
とどのつまり、
環境でしか
変われないし
成長もできない、
というものだ。
ひとりの
高い志や努力で
変わり、
成長することはない。
・勝手に
自分を
成長させてくれる
場所に
身を置いてさえいれば、
たとえ
凡人でも
自ずと
成長し、
そこそこの
成功をするようになる。
自分の
才能や能力を
開発する
必要などなく、
見極めるべきは
場所なのだ。
自分を
成長させてくれる、
筋のいい場所、
筋のいいコミュニティに
自分を
位置づけることさえ
できれば、
あとは
その中で
平均点を
取るだけで
いいのだ。
・天才
という
言葉は
便利なものだ。
「あの人は
天才だから
成功した」
と口にしてしまえば、
自分とは
関係がないことになる。
その人が
必死で
努力していることを
簡単に
無視できてしまう。
それに
自分に
何かが
成し遂げられなかったときには
「自分には才能がなかった」
と言ってしまえば、
自分が
傷つくこともない。
・勘違いしては
いけない。
「頑張る」のと
「成長する」のは
まったく
別のことだ。
起業家の大義は
事業を
成長させることだ。
なにせ、
投資を受けた以上、
他人のお金を
使って
事業を
やっているんだ。
頑張っても
事業が
成長しないのであれば、
その頑張りは
無意味である。
起業家は、
事業の
成長に対して
意味のある
努力をするために、
意味のない
努力をしない
決断をしなければ
ならない。
・成長しない
事業や会社は、
何度
潰しても良い。
しかし、
見栄やプライドに
すがって、
自分や他人を
ごまかし、
成長に
こだわれない
起業家は、
事業としては
死んでいなくても、
起業家としては
もう
死んでいるんだ。
身体はあっても、
もう
魂は
ゾンビ(リビングデッド)
のように
存在していない。
・覚えておいてほしい。
起業家の死とは、
けっして
資金が
尽きることじゃない。
挑戦をやめること、
なんだ。
・彼の凄みは、
誠実さと、
それを支える
尋常ではない
仕事力である。
彼は
どんな人と
接するときも
徹底的に
腰が低く、
決して
締切や約束を
破らない。
自分が
一度
決めたことは、
必ず
実行する。
誰にも
「この人の
頼みは
断れないな」
と思わせる
ところがある。
「起業家は、
新しい車を
つくる。
投資家は
その車に
入れるための
ガソリンを
調達してくるのが
仕事だ。
そして
起業家と投資家は
同じ車に乗って、
新しい世界を
見に行く
旅に出る」
・同じ車に
乗って、
新しい世界を
見に出かけて、
その先の話だ。
旅の目的が
果たせたら、
僕ら
投資家は
車の助手席から
一度
降りなければ
ならないのだ。
起業家の事業が
軌道に乗るにつれて、
「さよならの時が
近づいてきたな」と、
僕は
起業家に
気付かれないように
ドアを開ける
心構えをする。
次の旅に行く
時間が
近づいていることを
知るのだ。
・実は、
2200年頃までの
未来は、
ある程度は
決まっている。
僕が
150歳以内に
死ぬことが
決まっているように。
すでに
これだけ
多くの
流通しはじめていて、
まさか
200年後に
僕たちの
多くが
紙や銅の
お金を
使い続けていることは
想像できないし、
医学の進歩で
人類の寿命が
伸びていくなか、
10代までは
「ずっと学び」、
成人後は
「ずっと働き」、
定年後は
「ずっと休む」
という
人生サイクルは
成り立たなくなり、
たとえば
学校の
あり方は
決定的に
変わってしまうだろう。
脳の仕組みも
解明されて、
「幸福感」は
サプリのように
薬屋で
買えるようになるし、
不老不死だって、
ある程度は
実現できている。
人口の細胞などで
人体の
様々なパーツを
代用することが
できるようになると、
「生きる」と「死ぬ」の
境目というのは、
きわめて
曖昧になってくる。
脳も
心臓も
何もかも、
体のパーツを
すべて
入れ替えることが
できたら、
それは
果たして
「元の自分」
なのだろうか?
死の概念や
人間の定義も
変わらざるを
得ない。
そして、
ロボットが
当たり前になると、
人間の最重要テーマは
「余暇」との
付き合い方になる。
これまでは
余暇は
長ければ長いほど
幸せを
感じられたが、
皆が等しく
長い余暇、
暇な時間を
持て余すようになると、
「幸福」の
概念というのも
変わっていくのだ。
・成功とは、
実は
カネや名声なんかとは
一切
関係がない。
成功とは、
ひと言で言えば
「挑戦し続ける」ことなんだ。
きわめて
シンプルな
考え方だろ?
・世界史的に
見てみると、
この10年の間に
起きた
スタートアップの
急成長というのは、
かつての
人類のビジネスには
存在しなかった
驚異的な
伸び率である。
たとえば、
商品やサービスの
ユーザー数が
5000万人に
達するまでの
スピードを示した
有名な図があるが、
「飛行機68年、
自動車62年、
電話50年、
電気46年、
クレジットカード28年、
テレビ22年、
ATM18年、
コンピュータ14年、
携帯電話12年、
インターネット7年、
iPod4年、
YouTube4年、
フェイスブック3年、
Twitter2年」だ。
そして
「19日」である。
・多くの同級生が
大手企業への
就職ばかりを
考えるなか、
起業に
関心を抱く、
数少ない
仲間だった。
それと同時に、
まだ
起業には
一歩を
踏み出せない
仲間でもあった。
そのときの会話は、
まるで写真のように、
僕の人生の
フィルムに
しっかりと
焼きつけられている。
「もしもし?」
「よお、
アンリ。
元気?」
「おお、
もちろん、
元気、
元気。
ちょうど
今も
二郎
食っててさ」
「あのさ、
ちょっといいか?」
「うん、
どうした?」
「実は
俺、
会社
辞めたんだ」
「へえ、
それは……
おめでとう」
「え?」
「いや、
めでたいなー
と思って」
「そうか、
そうだよな。
ありがとう」
俺、
おめでとう……
って言ったなあ。
あのときも。
「俺さ、
起業しようと
思ってるんだ」
「おお、
マジか。
それは
さらに
おめでとう」
いつだっけな、
「いや
俺、
超嬉しかったんだよ。
あのとき、
おめでとう
って言ってくれたのは、
アンリ
ただひとりだけ
だった」
って言ってくれたことが
あった。
そりゃあ、
慶應を出て、
世の中
煽りを受けて
景気が
落ち込みまくっていた
あの時期に、
外資系の
コンサル企業を
辞めて
起業する
って言ったら、
誰も
「おめでとう」
なんて
言わないよ。
「大丈夫なの?」
って感じだろう。
さらに、
あんな
危機的な時代のなかで、
学生の頃みたいに
起業に夢中で、
ベンチャーキャピタリストを
目指していた
無謀な人間も、
僕だけだったそうだ。
この電話を境に、
僕たちは
親友から
同志となり、
ゆくゆくは
投資家と起業家の
関係になる。
「私は
常に、
自分自身を
倒す
方法を
考え、
それを
実行している」
「君は
いろいろ
頑張っているつもり
かもしれないけど、
無意味な努力も
多いし、
今の俺のほうが
はるかに
頑張っている。
もともと
こんなに
差があるのに、
この差は
広がるばかり
じゃないか。
俺は
君に、
持っている
すべての情報、
ノウハウも、
数字も
開示するし、
何でも
教えてあげるけど、
何で
そんなことを
するか、
わかる?
舐めているんだよ、
お前を。
俺が
君に
何も
開示しなくなったら、
それは
君を
本当のライバルだ
と認めた日だ。
このままじゃ、
絶対
そんな日は
おとずれないけどな」
・そう、
小さくたって、
壮大な
ビジョンが
なくなって、
楽しいことを
追及することが
できれば、
その
小さな熱狂が
いつかは
人を
巻き込み、
ひとりひとりに
楽しさを
もたらすことが
できるのだ。
そして、
進化する
インターネットのおかげで、
その
可能性は
どんどん
広がっている。
何かを
始めるのに、
大きくなくても
いい。
何かを
満たすことは、
たくさんでなくても
いい。
何かを
成し遂げることは、
どこでだって
いい。
今や、
ひとの
創造力を
掻き立て、
経済の
あり方までもを
変えていく
原動力は、
それが
「楽しい」かどうか
なのだ。
作り手と
受け手、
生産者と
消費者、
クリエイターと
ファン。
私たちは、
あらゆる
障壁や
分析を
取り払う
ツールを
提供し、
あらゆる
機会への
アクセスを
つくり出したい。
本当に
楽しいと
思える
モノやコトが、
本当に
必要としている
人たちを
つないでゆき、
ひとりひとりにとって
居心地の良い
豊かな
世の中へ。
すべては
「楽しい」から
はじまる。
Just for Fun.
・今は
もう、
「面白かったから
やっちゃったんだよね」
だけで
挑戦していい
時代だ。
・これから
君の未来に
訪れるのは、
「挑戦の費用対効果」が
高い
時代でもあるだろう。
・他人が
無意識に語る
「やったほうがいいこと」に、
人生を
浸食させては
いけない。
とっとと
最短距離で
一点突破して、
君の人生を
スタートアップさせろ。