ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.74 『絶対相手にYESと言わせる心理作戦』内藤誼人 オーエス出版 ー抜粋20箇所

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『絶対相手にYESと言わせる心理作戦』

   内藤誼人

    オーエス出版社

 

 

 

・こちらの

 思うように

 相手を

 動かせないのなら、

 それは

 説得とは

 言えない。

 単に

 話をするだけなら、

 それは

「説明」であって、

「説得」ではない。

 字面は

 似ているが、

 この違いを、

 しっかりと

 覚えておくべきだ。

 どんなに

 熱っぽく

 語ろうとも、

 相手が

 それによって

 動かなければ、

 説得では

 ないのである。

 

 

アメリカの

 ルーズベルト大統領

 時代のことである。

 ホワイトハウス

 洗面所に

 備えつけの

 タオルがあったのだが、

ホワイトハウス

 という

 文字が入っていたため、

 記念にと

 盗んでいく

 訪問者が

 跡を絶たなかった。

 困った当局側は、

「備品は盗まないでください。

 窃盗は犯罪です」

 という

 貼り紙を貼って

 何とか

 対応しようとした。

 しかし、

 残念ながら

 この貼り紙は

 まったく

 効果がなかった。

 理屈では

 窃盗が悪いことは

 わかるのだが、

 どうしても

 欲しくなるのが

 人間だからである。

 そこで、

 ルーズベルト大統領は、

 巧妙な

 説得作戦にでた。

 すなわち、

 タオルに書かれている

ホワイトハウス

 という文字の前に、

「~盗まれた(Stolen From)」

 という文字を

 入れさせたのである。

 こんなタオルを

 盗んだら、

 自分が盗んだ

 ということが

 一発でバレてしまうし、

 友人に自慢もできない。

 その結果、

 タオルが

 盗まれることが

 なくなった

 という。

 

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・人間には、

 ひとつ妥協すると、

 さらに

 もっと妥協しなければ

 ならないような

 気分になるところがある。

 

 

第二次世界大戦

 終わり、

 アメリカでは、

 どのように

 日本を

 統治すれば良いか

 という

 問題が

 話し合われた。

 ポーリー使節団は、

「日本の工業の

 大半を取り除き、

 農業国家にしてしまえ」

 という

 内容の

 報告書を

 書いた。

 日本の工業力は

 危険なので、

 農業や牧畜だけを

 やらせよ

 という

 徹底した

 提案をしたわけだ。

 これに対して、

 経済学者であり、

 経済安全保障政策局の

 局長であった

 ジョン・ガルブレイス

 反対した。

 そんなことをしたら

 日本は立ち直れない。

 しかし、

 ポーリーの考えは

 堅固であり、

 どうにも

 聞く耳

 持たないようであった。

 そこで、

 ガルブレイス

 少しずつ

 説得することにした。

 彼は

 まず、

「日本人だって

 何か

 着なければ

 ならないでしょう?」

 と質問し、

 ポーリーが

「確かに

 そうだ」

 と答えると、

「では

 繊維工業は

 除外すべきです」

 と言い、

 次に

 石油、

 肥料工場

 というように、

 ほとんど

 すべての

 工場を

 除外させたのである。

 ガルブレイス

 説得テクニックは、

 効果的であった。

 日本の工業は

 そのまま

 残されたからである。

 心理学的には、

 こうした

 テクニックを、

「踏み込み技法

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

 と呼んでいる。

 どうにも

 崩せない

 相手の場合には、

 少しずつ

 妥協させるほうが

 効果的なのだ。

 

 

孫子

「勝てる勝負だけをしろ」

 と言っている。

 わざと

 無謀な

 勝負をするより、

 自分の勝てる

 勝負だけを

 していれば、

 百戦百勝なのだ。

 同じく、

 営業成績の良い人は、

 落ちやすそうな人を

 狙って

 集中的に

 攻撃するものである。

 では、

 どんな人が

 説得されやすいのか。

 

 

・心理学的な

 実験データから

「落ちやすい」

 特徴の人を

 考えてみたい。

①自分自身を

 嫌っている人は、

 説得されやすい。

→これは、

 スタングという

 心理学者が

 明らかにした

 法則である。

 自分の

 能力を低く

 評価している人は、

 他人の

 意見のほうを

 ずっと

 尊重してしまう。

 いつでも

 自分が間違える

 と思っており、

 他人の意見に

 従ったほうが

 失敗が少ない

 と思っているのだ。

 だからこそ、

 こういう人は

 説得しやすいのである。

 自分自身では

浄水器は必要ないな」

 と思っていても、

 セールスマンによって

「カルキ飛ばしをしていない

 水は健康に悪いですよ」

 と強く言われると、

 すぐ

 うなずいてしまうのである。

②後悔しやすい人ほど、

 説得されやすい。

→これは

 コンスタンゾという

 心理学者が

 提唱していることだ。

 同じことなのだが、

 後悔したり、

 自責の念が強い人は、

 自分の決定に

 確信を持てないひとだ。

 だから、

 何をするにしろ

 不満を感じている。

「もっと

 こうすれば

 良かった」と

 いつでも

 感じており、

 それゆえ

 他人の意見に

 振り回されることに

 なるのだ。

③社会からの承認を

 求めている人は、

 説得されやすい。

クラッチフィールドによると、

「他の人に

 認められたい」

 という

 願望を

 強く

 持っている人ほど、

 他の人を

 喜ばせるために

 その意見を

 受け入れてしまうのだ

 という。

 こういう

 性格を

 持っている人なら、

 すぐにも

 説得できる。

 そもそも

 人に

 動かされる下地の

 備わった人たちだから、

 説得は容易だ。

 

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・人間は

「満足感が

 初めにあると、

 その後の

 嫌な出来事による

 痛みに

 耐えられる」

 という

 特徴を

 持っている。

 

 

・交渉では、

 最初に

「同意」を

 勝ち取らなければ

 ならない。

 考えさせず、

 無条件に

「はい」

 と言わせなければ

 ならない。

 それでこそ、

 交渉上手というものだ。

 もちろん、

 その後には、

 信じられないような

 事態が発生して、

 相手にとって

 どんどん

 不利益が

 生じるのだが、

 それには

 知らん顔を

 すればいい。

 

 

・人間は

「人間くさい」からこそ

 人間で

 ありつづけられる。

 この原理を

 念頭に

 置いておけば、

 どんな

 交渉でも

 うまく

 まとめることが

 できる。

 たとえば

 あなたに

 非常に

 親切にしてくれる人が

 いるとする。

 何かれとなく

 面倒をみてくれて、

 可愛がってくれる人だ。

 さて、

 そのような人が

 いざ

 困った状態に

 陥ったとしたら、

 あなたは

 冷たく

 無視するだろうか?

 恐らく

 そんなことは

 しないだろう。

 恩を仇で返せないのが

 人間だからだ。

 

 

・心理学者の

 アトキンソン博士の

 調査結果について

 見てほしい。

 アトキンソン博士は、

 アメリカの

 大統領選挙についての

 分析を行い、

 人びとの同意を

 勝ち取る候補者は、

 いつでも

「われわれ」

 という

 言葉を

 たくさん

 使っていることに

 気づいたのである。

「私は

 頑張るつもりだ」

 というより、

「われわれは

 一緒に

 頑張りましょう」

 と言ったほうが、

 国民への

 受けが良かったのだ。

 一体感を

 感じさせるからである。

 この原理は、

 交渉や説得にも

 応用できる。

 つまり、

 不必要なほど、

「われわれ」

「私たち」

 という

 言葉を

 連発すれば

 いいのだ。

 たとえば、

 交渉の席では、

「私たちは、

 手を取り合って

 頑張りたいですね」とか、

「私たちは、

 どちらも

 折れるところは

 折れましょう」などの

 言葉を

 強調すればいい。

 連帯感を

 感じさせれば、

 強情な注文は

 しなくなるであろうし、

 意見を

 懐柔させることも

 難しくない。

 われわれは、

 一体である。

 同盟関係である。

 友好関係を保ちたい。

 このように

 言えば、

 相手は

 喜ぶし、

 関係も

 スムーズなものになる。

 

 

・ある心理学の

 調査によると、

 仲の良い

 カップルに対して

「あなたがたの関係を

 教えてくれませんか?」

 という

 質問をすると、

「私たちは~です」

 という

 言い方を

 好んでするそうだ。

 逆に、

 関係が

 しっくり

 いっていない

 カップルに

 同じ質問をすると、

「彼は~で、

 私は~です」

 というように、

 二人の関係を

 別々に

 報告する

 傾向があるという。

 同じような違いは、

 仲の良い夫婦と、

 離婚寸前の夫婦にも

 見られるらしい。

 人間は

 言葉に縛られていく。

 だから、

 何気ない

 会話の中で、

「私たち」

 という

 言葉を

 使っていれば、

 交渉相手の

 心理的距離を

 埋めることが

 できるのである。

 

 

・交渉が

 こじれそうになったら、

 すかさず、

「ここで物別れになると、

 絶対に

 お互いの損に

 なります」

 と強調するに限る。

 そう言えば、

 相手も

 少しは

 頭を冷やすだろう。

「お互いの損」、

「お互いの損」

 と繰り返し

 述べていれば、

 相手の心も

 次第に

 柔和なものになる。

 決して

 敵ではなく、

 むしろ

 味方であることを

 伝えられるからだ。

 要するに

「お互いの」

 という

 言葉は、

 一体感を

 感じさせる

 テクニックなのである。

 

 

・言葉での説得よりも、

 もっと

 手っ取り早く

 決断を迫る

 魅惑のテクニックがある。

 それは、

 とにかく

 相手を

 巻き込んでしまうのだ。

「この化粧品を

 とにかく

 二週間

 使ってみて

 ください。

 二週間後に

 取りにきます」

 という

 セールスマンの

 テクニックは

 あまり

 言葉を

 使っていない。

 しかし、

 相手を

 巻き込んでいるために、

 その化粧品は

 きっと

 二週間後には

 使用されることになる。

 そして、

 セールスマンは

 使用したことを

 理由に、

 その化粧品を

 売ることが

 できるのだ。

 このやり方では

 化粧品の

 利点などを

 述べていないし、

 おせっかいな

 説得は

 何もなされていない。

 けれども、

 不思議なことに

 成功する確率が

 グンと

 高くなる。

 行動で巻き込む。

 関与させる。

 これを

 心理学では、

「コミットメントの原理」

 と呼んでいる。

 約束をすると

 とうしても

 破れなくなるように、

 ある行動をとると

 その行動に

 縛られるところが、

 人間にはある。

 その心理を

 利用するのが

 コミットメントの原理だ。

 

 

・相手の経験と

 同じ経験をしたことが

 あることを、

 アピールしても良い。

 たとえば、

「ああ、

 ○○県出身ですか。

 僕もですよ」

「○○大学卒?

 それでは、

 僕の先輩に

 なりますね」

「僕も

 海より

 山のほうが

 好きなんです。

 気が合いますね」

 という感じだ。

 交渉に入る前に、

「自分と相手とのつながり」

 を強調しておけば、

 交渉・説得は

 スムーズに

 行われるだろう。

 まったくの他人

 という

 感じが

 しなくなるからだ。

 心理学では、

 この原理を

「類似性の原理」

 と呼んでいる。

 性格であれ、

 出身地であれ、

 血液型であれ、

 趣味であれ、

 ともかく

 何らかの

 つながり

(類似)があれば、

 それだけで

 人の心は

 なごむように

 できているのである。

 類似性の原理は、

 人を

 なごませる方法であるから、

 そっくり

 説得に

 役立てることが

 できる。

 

 

・説得の成功は

 時間と

 比例するわけではない。

 何日話しても

 説得できない

 場合もあるし、

 数分間で

 説得できることもある。

 要するに、

 時間は

 あまり

 関係がないわけである。

 ただし、

 時間は

 関係ないのだが、

「回数」には

 成否と

 関係があることが

 わかっている。

 つまり、

「時間をかければ

 説得が

 必ずしも

 うまくいくわけではない」

 のに対して、

「会う回数を

 増やせば

 説得は

 成功しやすくなる」

 ということは

 言えるわけだ。

 

 

・人間は

 自分の話を

 忘れてしまうような

 人物を

 好きになれないが、

 ちょっとした話でも

 記憶されていると、

 とても大事にされていると

 勘違いする。

 

 

・まず

 相手の考えと

 一致することを

 示しなさい。

 すると

 あなたの意見は、

 より「説得的」で、

 より「正確である」と

 思われるようになる。

 

 

アロンソ

 という

 心理学者によれば、

「初めは

 声を荒げて

 叱っていても、

 次第に

 優しく

 ほめ始める

 やり方」が

 最も

 人に好まれるそうである。

 

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・心理学者の

 ミラー夫妻は、

 1990年に

 面白い実験を

 行っている。

 その実験とは、

 飲み物の

 CMを見せて、

 どれくらい

 その飲み物を

 欲しくなるかを

 調べるものであった。

 CMは

 実験的に

 二種類

 作られており、

 ひとつは

 理性的メッセージ

(主原料なり

 安全性実験結果などを

 訴える)、

 もうひとつは

 感情的メッセージ

(幸福感などに

 訴える)

 で作られていたのである。

 こういう

 CMは、

 どれほど

 効果的だったのだろうか。

 結果を言うと、

 こうである。

 理性的に

 物事を考える人には、

 理性的メッセージが

 有効であり、

 感情的な

 思考をする人には、

 感情的メッセージが

 有効であることが

 確認されたのだ。

 したがって

 この結果を

 参考にすれば、

 頭の中が

 理性的

(エリートに

 このタイプが多い)な

 人であるほど、

 論理的に

 訴えたほうが

 効果的であると

 言えるのだ。

 ちなみに

 一般的な人は

 どうか。

 面白いことに、

 平均的な人は、

 論理では

 動かされにくい。

 逆に、

 自分の心を

 震わせてくれるような

「感情」的な

 説得に弱い。

 証拠などなくとも、

 熱っぽい

 語り口の人の

 話であれば、

 不思議と

 聞いてしまう。

 この原理を

 踏まえて、

 使い分けが

 できれば、

 エリートであろうが

 そうでなかろうが、

 どちらにも

 対処できるはずだ。

 

 

・人々が

 最も

 広告に対して

 好意的になるのは、

 そのスピードを

 120%

 アップさせたときであった。

 かなりの

 早口になるわけだが、

 それによって

 人びとは

 心を

 動かされたわけである。

 早口だと

 何を言っているのか、

 よく判断できなくなる。

 ある意見を

 判断しようとしても、

 次から次へと

 意見が

 浴びせられるわけだから、

 個々の意見を

 じっくりと

 考えることが

 できなくなるわけだ。

 これも

 やはり

 混乱させる

 テクニックである。