ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひ。過去の抜粋ノート(38箇所)

 

 過去にノートに書き写していた名言等を置いておきます。

 

 

・難破船の3人の乗客

→ある時、

 船が嵐に遭って難破した。

 流れ着いたのは

 フルーツのたわわに実る島であった。

 船は

 その島で修理を済ませてから

 出航することになった。

 乗客は3人いた。

 ひとりの乗客は

 いつ修理が終わって

 船が出てしまうかわからないので

 取り残されたら大変だ

 と思い、

 船から降りなかった。

 嵐に遭い何日も空腹だったが

 船が出てしまう心配のほうが先にたち、

 それは我慢することにした。

 もうひとりの乗客は

 島に降りたが、

 船が見える範囲でフルーツを食べ、

 修理が終わる様子を見て

 急いで船に戻ってきた。

 たらふくは食べられなかったが、

 何とか空腹を満たし

 フルーツで水分補給もできた。

 もうひとりの乗客は

 そんな簡単に船の修理はできないと思い、

 島の中まで入って

 フルーツをたらふく食べた。

 船は見えなかったが

 まだ大丈夫

 と次から次へと

 フルーツを食べた。

 お腹いっぱいになって戻ってきたら

 船は出航した後で

 島に取り残されてしまった。

 まったく船を降りなかった乗客は

 その後の航海に耐え切れず死んでしまった。

 島に取り残された乗客も

 無人島から脱出できず

 そこで一生を終えた。

→適正なリスク計算、冷静に計算できる人間が生き残る。

 

 

・悪人は雪に似ている。

 はじめて会ったときは、

 純白で、美しく見えるが、

 じきに

 泥とぬかるみになる。

→ラビ・リチナー

「私は、

 自分のことを

 雪のように純白だ、

 という者を好まない。

 雪はすぐに溶けて、

 泥とぬかるみに変わってしまうからだ」

 

 

・酒が入ると、

 秘密が出ていく。

→ノアが、

 ブドウの木を植えようとした時に、

 サタンがやってきて、

「何を植えているのですか?」

 と聞いた。

 ノアは、

「ブドウの木です」

 と答えた。

 サタンはかさねて、

「ブドウはどんな木ですか?」

 と尋ねた。

 ノアは、

「ブドウは果物で、

 たいへんに甘く、

 また適当な酸味を持っています。

 そして、

 これを発酵させると、

 人間の心を喜ばせる

 酒というものができます」

 と言った。

 すると、

 サタンは、

「そんなに良いものなら、

 私も手伝いましょう」

 と言ったので、

 ノアはサタンに感謝した。

 サタンは、

 羊、ライオン、豚、猿をつれてきて

 これを殺し、

 その血を畑に流して

 肥料とした。

 そのために、

 ノアが酒を飲むと、

 まず羊のように弱くなり、

 もう少し飲むと

 ライオンのように強くなり、

 もっと飲むと

 豚のように汚くなり、

 さらに飲むと

 猿のように騒ぎ回った。

 神によってもっとも正しい人と呼ばれた

 ノアでさえ、

 こういう状態になったのだから、

 もし普通の人間が飲んだら、

 どうなることになるか

 わかるだろう。

 

 

・デポラの闘い

→ある村に

 デポラという名の

 美しい姫がいた。

 裕福な両親に育てられ、

 デポラは

 ユダヤ人として

 きちんと

 トーラー(ユダヤ教の教え)を

 学んでいた。

 年頃になった

 デポラは、

 両親が選んだ青年と

 結婚することになった。

 しかし、

 結婚式当日の夜、

 新郎が

 突然死してしまった。

 それから何年か経ち、

 デポラは、また

 親の選んだ

 素晴らしい青年と

 結婚することになった。

 ところが、

 結婚式当日の夜、

 またも

 新郎が

 突然死してしまった。

 そして、

 なんと

 三度目の結婚式でも

 新郎が

 結婚式当日の夜に

 死んでしまった。

 デポラは

 結婚を諦めかけた。

 その後しばらくして、

 親戚の息子が

 遠い村から来て

 デポラの両親に

 たいそう気に入られた。

 すると、

 その男性は

「デポラを嫁にしたい」

 と言ってきた。

 両親は

 過去に

 三人も

 新郎が亡くなっていることを

 彼に話し、

 何とか

 思いとどまらせようとした。

 しかし、

 彼は、

「私は

 神に対して誠実で

 気に入られています。

 そんなことは

 起こりませんよ」

 と食い下がった。

 それで

 両親も折れ、

 デポラとその男性は

 結婚することになった。

 神は

 その結婚式当日、

 その男を

 天国に召し上げるため、

 使いの天使を

 地上に寄越した。

 死の天使は

 新郎に向かって

「私と一緒に

 きてもらいたい」

 と天国への旅立ちを促した。

 そこへ

 今度こそはと

 待ち構えていた

 デポラが

 いきなり

 割って入った。

「あなたが

 今まで

 私の新郎を

 奪っていった

 死の天使ね。

 天に戻って

 神に伝えて」

 デポラは

 大きな声で

 死の天使に

 こう告げた。

「トーラーによると

 男は

 結婚したなら

 花嫁と

 一緒にいるべきだ

 と書かれています。

 したがって、

 神は

 私の花婿を

 天国に連れていくことは

 できません」

「なんと、

 お前は

 神の決定に

 異議を唱え

 議論を挑むのか」

「そうです。

 トーラーには

『男が結婚した場合には

 仕事よりも

 家庭を優先して

 妻と一緒にいる

 ようにしなくてはいけない』

 と書いてあります。

 結婚式の夜に

 私の夫を

 天国に拉致するのは

 この教えに反します。

 トーラーの教えは

 神が作ったもの

 ではないのですか?

 それなら

 私は

 神を被告として

 宗教裁判所に

 訴えます」

 このように

 一気に述べて、

 デポラは

 死の天使を

 にらみつけた。

 驚いた死の天使は、

 あわてて

 天国に一人で戻り

 神に相談した。

「デポラは

 神様を

 法廷に

 引きずり出す

 と言っています。

 法廷で

 決着をつける

 と言っていますが、

 どうなさいますか?」

「うーむ、

 まいった。

 デポラのところには

 もう行かなくてよい。

 他の娘のところに行け」

 こうして

 デポラは

 愛する夫を

 死の手から

 取り戻し、

 末永く

 幸せに

 暮らした

 ということだ。

 

 

・どれほど

 高価な時計でも、

 刻む1時間の長さは

 同じだし、

 どれほど

 偉い人でも、

 1時間は変わらない。

 

 

・鍵は正直者のためだけにある。

→家を留守にする時、

 扉に鍵をかけるのは、

 なぜだろう?

 これは

 正直者が

 中に入らないように

 するためである。

 というのも、

 悪人が

 もし

 その家の中に入って

 物を盗もうとすれば、

 鍵がかかっていようが

 いなかろうが、

 どっちみち入ってしまうのだ。

 しかし、

 正直者でも、

 もし

 ドアが開いていたら

 誘惑されて

 入ってしまうかもしれない。

 だから、

 私たちが

 家を留守にする時、

 あるいは

 車を降りる時に

 鍵をかけるのは、

 正直者に

 悪いことを

 させないためである。

 我々は、

 人を

 誘惑してはならない。

 誘惑しないためには、

 色々な鍵をかける

 必要がある。

 

 

・遺伝学や心理学の「発見」

①知能の大半は

 遺伝であり、

 努力しても

 たいして

 変わらない。

②性格の半分は

 環境の影響を受けるが、

 親の子育てとは

 無関係で、

 いったん身についた

 性格は

 変わらない。

→もし

 これが

 本当だとしたら、

 努力することに

 いったい

 何の意味が

 あるのだろう。

 

 

・「多重知能の理論」

→ハワード・ガードナー

 MI = Multiple Intelligences

 知能は

 身長や体重のように

 単純な検査で

 測定可能なもの

 ではない。

 

 

・顔写真と生年月日のない履歴書

→差別というのは、

 本人の努力では

 どうしようもないことで

 ひとを判断することだ。

 アメリカ人が

 日本の履歴書を見て、

 一番びっくりするのは、

 生年月日を書かせることと、

 顔写真を貼らせることだ。

 生年月日欄は、

「年齢で差別します」

 と宣言するようなものだし、

 顔写真は

 性別や人種が

 ひと目でわかる。

 

 

・「意外な驚きがどこにもない」

 ということに、

 大きな快適性の秘密が

 隠されている。

 

 

・人々は、

 合理化された教育制度

 (マンモス大学)から、

 合理化された職場

 (マクドナルド)へ、

 合理化された家庭

 (高層マンション)から

 合理化されたレクリエーション施設

 (ディズニーランド)へと

 移動する。

 最終的には

 旅行

 (パックツアー)や

 自然体験

 (RVで過ごすキャンプ場)など、

 日常の合理性から

 逃避するための

 ルートまで

 合理化され、

 人々は

 合理性という

「鉄の檻」に閉じ込められ、

 その中で

 生きるほかなくなるだろう。

 なぜ

 こんなことに

 なってしまうのか。

 その理由は、

 考えるまでもないだろう。

 合理的なシステムは、

 快適なのだ。

 

 

能力主義社会では、

 労働者は

 学歴・資格・職歴

 の三つで

 評価される。

 マックジョブには、

 学歴も資格も

 関係ないから、

 残る評価は、

 職歴(経験)

 だけだ。

 経験が

 評価の対象になることで、

 職場で長く働いている労働者が

 年齢を理由に

 解雇されることもなくなった。

 ただし、

 未経験の若者と

 同等の給与で

 働くならば、だ。

 米系の航空会社のCAは

 意外なほどに

 高齢で、

 同様に、

 アメリカでは、

 マクドナルドやピザハットスターバックス

 たくさんの高齢者が

 働いている。

 彼らは、

 新しい出会いを

 求めているのではなく、

 金銭的な報酬を

 得るためだけに

 仕事をしている。

 労働機会のほとんどが

 マックジョブになってしまえば、

 夢があろうがなかろうが、

 そこで

 日々の糧を得るほかない。

 能力主義と合理化(マクドナルド化)が

 合体することで、

 働くことの風景は

 劇的に変わってしまったのだ。

 

 

・進化論的に

 最適な戦略を

 確実に実行するために、

 僕たちは

 好きなことに

 夢中になるように

 遺伝的に

 プログラムされて

 生まれてきた。

 能力というのは、

 好きなことをやって

 みんなから評価され、

 ひとより目立つことで

 もっと好きになる、

 という循環の中でしか

「開発」されないのだ。

 

 

・バイク便ライダーたちは、

 劣悪な労働環境で酷使され、

 交通事故で半身不随になったり、

 排気ガスで肺を悪くして

 引退していく。

 しかし

 彼らは、

 すべての矛盾を

「自己責任」と受け止める。

 だって、

 好きでやったことだから。

 

 

・ひとの感情や考え方は、

 他人からの刺激によって

 様々に変化する。

 これは、

 外部からのインプットによって

 プログラムが変わる

 コンピュータみたいなものだ。

 

 

・ある集団の中で、

 嫉妬する男と

 嫉妬しない男が

 半々の割合でいたとしよう。

 嫉妬しない男は、

 誰の子どもでも

 一所懸命育てる。

 嫉妬する男は、

 自分の子ども以外

 育てようとは思わない。

 こうした条件で

 数十世代を経れば、

 その集団は

 嫉妬する男の子孫だけになり、

 嫉妬しない男の遺伝子は

 絶滅する。

 (このことは、ゲーム理論によって数学的に証明できる)

 

 

・ひとの性格は、

 そのほとんどが

 無意識の感情や仕草、表情や行動によって

 構成されている。

 涙をこぼすのも、

 顔を赤らめるのも、

 心臓の鼓動を速めるのも、

 それが無意識のうちに

 行われているとしたならば、

 本当の理由は

 秘密のベールに

 包まれたままに

 ちがいない。

 ぼくたちは

 ただ

 泣いている自分に気がついて、

 あとから

 悲しい理由を

 考えることができるだけなのだ。

 

 

・貨幣空間は、

 お金を介したコミュニケーションだから、

 ものすごくフラットだ。

 いつも買い物をする

 八百屋のおじさんに

 愛情や憎悪を

 感じる人はいない。

 通販でモノを買う場合は、

 相手が何者かなんて

 考えもしない。

 この冷淡さがあるからこそ、

 貨幣空間は

 無限に広がっている。

 

 

・グローバルな市場では、

 お金持ちは

 人種や宗教、国籍・性別・政治的な主義主張に関わらず、

 誰とでも

 積極的に付き合い、

 ビジネスを拡大しようとする。

 それに対して

 貧乏人は

 狭いムラ社会から

 出ようとせず、

 せっかくのビジネスチャンスを

 逃してしまう。

 格差社会の底辺にいるのは、

 社会の犠牲者というよりは、

 貨幣空間(信頼社会)のルールに

 適応できないひとたち

 かもしれないのだ。

 

 

・愛情や友情なんてなくても、

 ほんのちょっとした

 きっかけさえあれば、

 誰でも

 世界のどんな人とも

 付き合うことができる。

 これが

 貨幣空間 = スモールワールド

 のスゴいところだ。

 

 

・面白いことに、

 困った時に

 本当に役に立つのは、

 強い絆の

「コネ」ではなく、

 弱い絆

「紹介」なのだ。

 

 

・強い絆で結ばれた

 親しい友人は

 似たような仕事をしていることが

 多いから、

 転職の相談には

 不向きだ。

 それに対して

 弱い絆の相手は、

 自分とは異なる世界に

 暮らしているからこそ、

 新しい可能性を

 指し示してくれる。

 

 

・貨幣空間の成功者は、

 人と人を繋ぐことに

 喜びを見出している。

 でも

 これは

 単なる善意ではなく、

 優秀な人材を

 紹介することで

 人間関係の貸借対照表

 資産に加えることができることを

 知っているからだ。

 紹介されたほうは

 心理的な負債を負うけれど、

 これは

 金銭と違って

 返済義務はなくて、

 逆に

 その人を受け入れることが

 貸しになったりもする。

 

 

・貨幣空間は、

 ありのままの

「私」を

 受け入れて入れる。

 愛情や友情に不器用で、

 社会に適応できなかった人たちも、

 貨幣空間なら

 何の問題もなく

 生きていける。

 何故なら、

「私」が誰かは

 どうでもいいことだから。

 

 

・僕たちは

 幸福になるために

 生きているけれど、

 幸福になるように

 デザインされている

 わけではない。

 

 

・「リーナスの法則」

→人生にとって

 意味のあることは、

 三つあり、

 それは

 段階を追って

 進化していく。

①生き延びること。

→人類は

 その長い歴史の大半を

 メス(オス)を獲得して、

 次世代に

 遺伝子を残すことに

 費やしてきた。

②社会秩序を保つこと。

→ヒトは

 社会的な生き物だから、

 群れの中でしか

 生きられない。

 集団の中で

 少しでも

 高い序列を

 手に入れることが、

 彼らの人生の目的だ。

 テクノロジー

 生存のための道具から、

 コミュニケーションのための

 ツールに進化したのは、

 生存から社会性へ

 という移行を

 象徴している。

③「楽しむこと」

→豊かな社会では、

 生存に対する不安は

 消滅し、

 テクノロジーによって

 広大なネットワーク空間に

 アクセスできるようになった。

 そうなれば、

 生きる目的は、

 楽しむことしかない。

 

 

アメリカの心理学者

 エドワード・L・デシは、

 簡単な実験によって、

 金銭的な報酬で

 やる気がなくなる

 という奇妙な心理を

 証明した。

 最初に

 デシは、

 ボランティアで

 実験に参加した

 大学生たちに

 パズルを解かせた。

 それが

 十分に面白いものなら、

 自由時間でも

 パズルをやり続ける学生が

 かなりいた。

 次に、

 解いたパズルの個数に合わせて

 報酬を支払うことにした。

 すると

 学生たちは、

 自由時間に

 雑誌を読んだりして

 休憩するようになった。

 お金は

 課題に取り組む

 モチベーションを高めるのではなく、

 失わせたのだ。

 

 

・イノベータは

「人と違う行動」

 をとっている。

 現状に異議を唱える

 挑発的な質問をする。

 人類学者のように

 世界を観察し、

 驚くべき洞察を得る。

 様々な背景や経験を持つ人たちとの

 ネットワークを通して、

 斬新なアイデアを触発する。

 実験を

 何度も繰り返し、

 有効な解決策を

 編み出す。

 

 

・過去を振り返って

 誰もが聞きたがる質問は、

「どうやって

 これを成し遂げたのか?」だ。

 だが

 それよりも

 はるかに価値のある、

 先を見据えた質問は、

「どうすればできるか?」

 だろう。

 

 

・すべてのイノベータが、

 常に疑問を持ち、

 現状に風穴をあけるような質問を

 頻繁に投げかけていた。

 世界を

 この上なく熱心に

 観察していた人もいた。

 多彩な人たちとのネットワークを

 築いた人もいた。

 実験を軸にして、

 イノベーション活動を進めていた人もいた。

 これらの行動、

 つまり

 質問、観察、ネットワーキング、実験は、

 継続的に携わることで、

 新しい事業、製品、サービス、プロセスの

 源泉である、

 関連づけ思考を

 刺激する。

 一般に、

 新しいアイデア

 生み出す能力は、

 純粋に

 認知スキル、

 つまり

 頭の中だけで完結する

 スキルだと思われている。

 しかし

 われわれの研究は、

 革新的なアイデア

 生み出す能力が、

 知性だけでなく、

 行動によっても決まる

 という、

 重要な洞察を示している。

 これは

 誰にとっても

 喜ばしい知らせだ。

 誰でも

 行動を変えることで、

 創造的な影響力を

 ますます

 発揮できるのだから。

 

 

・イノベータは、

 われわれが

「関連づけの思考」、

 略して

「関連づけ」と呼ぶ

 認知的スキルを

 ふんだんに

 働かせる。

 関連づけが起きるのは、

 脳が

 目新しいインプットを

 様々な形で組み合わせ、

 理解しようとするときだ。

 この能力のおかげで、

 イノベータは

 一見

 無関係に見える

 疑問や問題、アイデアを結びつけ、

 新しい方向性を見出すことができる。

 

 

・イノベータの行動スキル

→質問力 ー 「こうしたらどうなるだろう?」

 観察力

 ネットワーク力

 実験力

 

 

・人の予定に振り回されず、

 自分がやろうと思ったことをやること。

 

 

・たとえば

 あなたと

 同じ知能と才能を持って生まれた、

 一卵性双生児のきょうだいがいたとする。

 あなたときょうだいは、

 独創的な新規事業の

 アイデアを生み出すために、

 一週間の期間を与えられる。

 あなたは

 その間、

 部屋にこもって一人きりでアイデアを考える。

 これに対して

 双子の方は、

 次のことをする。

①新規事業について、

 エンジニア、音楽家専業主夫、デザイナなど、

 10人とアイデアを出し合う。

②イノベーティブな新興企業を

 三社訪問し、

 どんなことをしているのか

 観察する。

③「市場初」の製品を五つ試し、

 分解して中を見る。

④自分のつくった試作品を

 五人に見せる。

⑤以上のネットワーキング、観察、実験を行う間に、

「これを試したらどうなるだろう?」

「これが成功しないのはどういうときだろう?」

 といった質問を、

 毎日

 少なくとも

 10回は自問する。

 さて、

 どちらのほうが

 革新的で、

 かつ

 使えるアイデア

 考え出すだろうか?

 あなたは

 どちらに賭ける?

 わたしなら

 断然、

 あなたのきょうだいが勝つ方に

 賭ける。

 それは、

 天性の

 (遺伝的な)

 創造力があるからでは

 もちろんない。

 確かに

 遺伝は大切だが、

 それが

 決め手ではない、

 きょうだいのような行動をとれば、

 独創的な答えを

 思いつく能力を

 高められるのだ。

 

 

・イノベータは、

 人と違う考え方をするが、

 スティーブ・ジョブズがいうように、

 実は

 繋がっていないものを

 繋げることによって、

 違う考え方をしているに

 すぎない。

 アインシュタイン

 かつて

 創造的思考を

「組み合わせ遊び」

 と呼び、

「生産的思考の本質的特徴」

 とみなした。

 関連づける力、

 つまり

 知識分野、産業、地理を超えた

 意外な結びつきを

 生み出す力は、

 我々が調査した

 イノベータの間では

 当たり前の能力

 と考えられていた。

 

 

ウォルト・ディズニー

→あるとき

 小さな男の子が、

 ウォルトに

 どんな仕事をしているの

 と尋ねた。

 ウォルトは

 その時の会話を

 はっきりと覚えている。

「いつだったか、

 小さな男の子に

『おじさんは

 ミッキーマウスを描いてるの?』

 と聞かれ、

 困ってしまった。

 仕方ないから、

 もう描いていないよ

 と告白したんだ。

『なら

 面白いジョークやお話を

 考えているの?』

 と聞かれて、

『いいや、

 それもやっていない』

 と答えた。

 とうとう

 男の子は

 私を見上げて

 こう聞いたんだ。

『じゃあ

 ディズニーおじさんは、

 一体

 何をやっているの?』

 とね。

 そこで

 こう言った。

『そうさな、

 私は

 小さなミツバチのようなものでね。

 スタジオの片隅から

 別の片隅に

 飛び回りながら

 花粉を集めて、

 みんなを

 励ましているのだよ』

 それが、

 私の仕事なのだろう」

 

 

スティーブ・ジョブズ

「創造性とは結びつけることだ」

「創造的な人は、

 どうやって

 それをやったのか

 と聞くと、

 ちょっと

 後ろめたい気持ちになる。

 実は

 何をやったわけでもなく、

 ただ

 何かに目を留めただけなのだ……。

 様々な経験を結びつけて、

 新しいものを

 生み出すことができたのだ」

 

 

・イノベータは

 一見

 ミスマッチに思えるアイデア

 組み合わせて、

 予想外の成功を収めることが

 多い。

「これとあれを

 組み合わせたら

 どうだろう?」

 と常に自問することで、

 おかしな二人、三人、四人を

 つくっている。

 普通でないアイデア

 大胆に組み合わせることで、

 人と違う考え方をしているのだ。