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ひょっぽこ読書記録No.135 『アマゾンが描く2022年の世界』田中道昭 PHP新書 ―切り抜き17カ所

 

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『アマゾンが描く2022年の世界』

 すべての業界を震撼させる

 「ベゾスの大戦略

   田中道昭

     PHPビジネス新書

 

 

 

《2022年11月の近未来》

 

・2022年11月17日木曜日、

 佐藤一郎さん(仮名、32歳)は

 東京の四ツ谷駅から歩いて

 5分ほどのところにある

「アマゾン365」

 という

 無人コンビニエンスストア店舗の

 オープンカフェスペースで

 仕事をしていました。

 

「アマゾン365」とは、

 もともと

 アマゾンが

 2017年8月に

 傘下におさめた

 米国の高級スーパーマーケットである

 ホールフーズの

 一業態だったものを、

 その後

 無人コンビニ店舗

「アマゾン・ゴー」

 と融合させたもの。

 現在では

リアル店舗

 ×EC拠点

 ×宅配拠点

 ×イートイン及び

 シェアオフィスの機能を具備した

 オープンカフェ」店舗として

 進化させています。

 

 このお店には

 試着室も

 用意されており、

 利用者は

 アマゾンのサイトで注文した

 洋服を試着したり、

 気に入らなかった場合、

 そのまま返品することも

 可能になっています。

 さらには、

 有名レストランの

 宅配サービスの拠点としての

 機能も備えているのです。

 

 この店舗は

 昨年までは

 日本の

 大手コンビニチェーンが

 ナチュラル・オーガニック商品を

 展開する

 コンビニ店舗として

 利用していましたが、

 業態変革により

 閉鎖され、

 その跡地に

 アマゾン365が

 出店したのです。

 アマゾン365は、

 米国の社会学者である

 レイ・オルデンバーグが

 提唱した

「サード・プレイス」

(居心地の良い

 第3の場所)

 としても

 定着しています。

 みんなが集まりやすく、

 フレンドリーで

 居心地も良く、

 古い友人も

 新しい友人も

 見つかるような、

 新しい

 コミュニケーション・ライフの

 アンカーとしても

 機能しているのです。

 

 そのような

「サード・プレイス」の

 カフェで

 仕事をしている

 佐藤さんは

 おしゃれな

 白ぶちのメガネを

 かけていますが、

 目が悪いわけでは

 ありません。

 このメガネは

「アマゾン・グラス」

 という

 メガネ型ウェアラブル機器です。

「アマゾン・アレクサ」

 という

 音声認識AIと接続され、

 話しかけると

 いろいろな機能が

 起動します。

 また

 骨伝導システム搭載で

 イヤホンがなくても

 音声を聞くことが

 できるように

 なっています。

 アマゾンは

 3年前に

 自社の

「スマート生活」投資ファンド

 である

 アレクサ・ファンドを

 活用して、

 スマートメガネ・メーカーを

 買収、

 アマゾン・グラスも

 被買収企業とアマゾンとの

 共同開発・生産・販売で

 提供されています。

 アマゾンは、

 ホールフーズの

 買収以降も、

「規模の経済

 ×範囲の経済

 ×速度の経済」

 を活かせる分野において、

 積極的に

 M&Aを

 進めてきているのです。

「アレクサ、

 今の僕の心境に

 最も合った

 音楽をかけて」

 という

 佐藤さんの声を

 アマゾン・グラスは

 聞き逃しません。

 アマゾンが

ビッグデータ

 ×AI」で

 佐藤さんのためだけに

 作曲した

 合成音楽なのです。

 今

 流れているのは

 ピアノの音楽に

 八ヶ岳の自然を

 イメージしたような

 川、小鳥、虫の音などが

 合成された

 リラクゼーションミュージック。

 佐藤さんの

 お気に入りのパターンの

 ひとつです。

 

 音楽以外にも、

 佐藤さんのスマホには、

 アマゾンから

ビッグデータ

 ×AI」によって、

「世界で

 ただ一人の

 佐藤一郎さんのためだけ」の

「合成された」

 新聞・雑誌・小説・ゲーム・広告も

 提供されています。

 また、

 先日は

 アマゾンで

 自分専用の

 Tシャツとズボンを

 買いました。

 友達3人と

 高尾山に

 ハイキングに行く前に、

「アレクサ、

 僕に似合う

 スタイルとカラーで

 Tシャツとズボンを

 リコメンドして」

 と話しかけ、

 リコメンドされたものの中から

 選んだのです。

 実家の母親も、

 今月のクラス会に

 着ていく服は、

「アレクサと相談して

 決めたの」

 と言っていました。

 アマゾンは

 ユニクロをも凌駕するような

 アパレルでの

 SPA(製造販売)企業にも

 なっているのです。

 

 これらは

 すべて、

 アマゾンが

 その人のリアルタイムにまで

 ターゲットを絞った

「0.1人セグメンテーション」

 を実現したことで

 可能となった

 サービスです。

「0.1人セグメンテーション」

 とは、

 佐藤さん1人に

 ターゲットを絞った

「1人セグメンテーション」から

 さらに先鋭化されたもので、

 その時その時の佐藤さんの

 リアルタイムの行動に

 合わせて

 ターゲティングされている

 ものなのです。

 佐藤さんは

 大学卒業後、

 大手IT企業に

 勤務していましたが、

 3年前から

 フリーランスとして

 仕事をしています。

 仕事の6割は

 特定のクライアント3社からの

 ものですが、

 残り4割は

「アマゾンクラウドソーシング」から

 10分単位で

 請け負うことができる

 仕事が占めています。

 今も

 佐藤さんは

 午後4時からの

 クライアント先との

 ミーティングまでの時間を

 利用し、

 300名以上の人が

 参加している

 商品開発のプロジェクトの

 仕事を

 アマゾンの

 クラウドコンピュータ部門である

 AWS(アマゾンウェブサービス)の

 オープンフラットフォームを

 利用して

 進めていたのです。

 仕事を

 不特定多数の人に

 細かく分割して行う

 クラウドソーシングも、

 最近では

 かなり付加価値の高い仕事が

 増えてきています。

 

 人と人がつながり、

 仲間と仲間がつながり……

 というように、

「つながり」からし

 創造できないような

 独創的な商品が

 次々と

 誕生しています。

 5年前には

 AIが

 仕事を奪う

 ということで

 危機感が高まりましたが、

 今では

 人と人がつながってやる

 仕事こそが、

 最後の最後まで

 人に残される

 仕事である

 という認識が

 高まっているのです。

 

 そして、

 佐藤さんが

 クラウドソーシングで

 10分単位の仕事が

 できるように

 なっているのも、

 アマゾンが

「0.1人セグメンテーション」で

 佐藤さんの

 リアルタイムのニーズを

 把握しているからなのです。

 

 30分ほどで

 この仕事を終えた後、

 佐藤さんは

 店舗を一周し、

 うなぎの蒲焼弁当を

 見つけました。

 仕事を終えて

 またここに戻ってきたら

 このお弁当を食べようかな

 と考えながら、

 スマホ

 アマゾン365のアプリを

 見ると、

 このお弁当で使われている

 うなぎの産地情報が

 詳細にわたって

 記載されていました。

 この店舗では

 生鮮食料品も

 数多く販売されていますが、

 単品管理で

 すべての商品の情報を

 アプリで見ることが

 できるように

 なっているのです。

 

 アプリの中には、

 このお弁当についての

 レーティングやレビューも

 書かれています。

 これも

 一般のリアル店舗にはない

 アマゾン365の特徴の

 ひとつです。

 同店舗の商品については、

 自宅やオフィスから

 アプリで注文して

 宅配で受け取ることも

 可能になっています。

 アマゾン365では、

 4年前から

 在庫管理、

 店頭在庫管理、

 商品補充までが

 AI化されています。

 さらには

 現在では、

 サプライチェーン

 バリューチェーン

 全体も

 AI化されています。

 AIで

 天候予測や需要予測を行い、

 さらには

 販売計画や商品管理はもとより、

 スタッフ管理や顧客管理までもが

 行われているのです。

 

 なお

 アマゾン365の

 浅草の店舗では、

 2年前から

 動画配信サービス

「アマゾン・プライム」の

 公開スタジオも

 併設されています。

 アマゾンでは、

「アマゾン・スタジオ」

 という

 制作部門が

 独自の番組制作を

 手がけていましたが、

 近年、

 消費者は

「あまりにも多くの

 番組の中から

 視聴する番組を

 自分で選ぶ」

 という時間すらも

 ストレスと

 感じるようになり、

「365日24時間

 流しっぱなしの

 テレビ番組」が

 オンディマンドの作品よりも

 人気を集めるように

 なってきたのです。

 浅草の公開スタジオでは、

 24時間ノンストップで、

 ネットならではの

 双方向型ニュース番組を

 放送しており、

 浅草は

 同スタジオを中心に

 さらに

 若者やインバウンド観光客で

 賑わいを見せています。

 アマゾンにとっては、

 消費者の

 動画視聴データでさえも

 ビッグデータ

 一部なのであり、

 たとえば

 このニュース番組でも

 リアルタイムで

 表示されている

 視聴率によって

 放送中のニュースを

 取り上げる時間までも

 柔軟に

 変化させているのです。

 

 佐藤さんは

 店舗を出る時

 宅配ロッカーから

 自分の目的地の

 途中にある

 会社に届ける

 書類の荷物を

 取り出しました。

 スマホのアプリによる

 ワンクリックで、

 本人確認等の

 セキュリティも

 万全です。

 一般の人が

 会社の行き帰りなどの

 時間を利用して

 宅配を行うサービスは

「アマゾン・フレックス」

 といって

 米国でスタートしましたが、

 日本でも

 3年前から

 規制緩和により

 サービスが

 提供されています。

 佐藤さんが

 アマゾンクラウドソーシングで

 委託を受けている仕事の

 ひとつでもあるのです。

 アマゾンは

 2017年に

「宅配危機」

 を経験し、

 ヤマト運輸からの

 4割にも及ぶ値上げを

 短期的にせよ

 受け入れざるを

 得なかったことに

 危機感を強めました。

 その結果、

 3年前には

 独自の宅配網を

 新興宅配業者とともに

 完全整備、

 宅配ロッカーも

 すでに

 アマゾン365の

 店舗網も含めて

 全国3000カ所に

 設置しているほか、

 経済特区内においては

 すでに

 ドローン配達も

 開始されています。

 千葉市

 経済特区内にある

 佐藤さんの実家では、

 アマゾンが運営する

 飛行船型空中倉庫を

 経由して、

 庭に設置された

 ドローン専用受け取りスペースに

 アマゾン・プライムから

 毎週水曜日に

 食料品が

 届けられています。

 

 佐藤さんは

 店舗を出る前に、

 高カカオポリフェノール

 チョコレートを

 カバンの中に入れましたが、

 店舗を出ると

 佐藤さんの

 アマゾン・ペイから

 自動的に

 代金が引き落とされていました。

 

 

SWOT分析は、

 強み、

 弱み、

 機会、

 脅威

 の4要素から、

 その時点における

 最適な経営戦略を

 導き出すというものです。

 

 

・あるいは

 PEST分析。

 政治、

 経済、

 社会、

 技術

 の変化を分析するもので、

 まさしく

 天を分析する

 フレームワーク

 といえます。

 

 

「君の仕事は、

 今までしてきた事業を

 ぶちのめすことだ。

 物理的な本を売る人間、

 全員から

 職を奪うくらいのつもりで

 取り組んでほしい」

 

 

「彼を

『いい人だ』

 と思ったことは

 ありません。

 心は惹かれますが、

 温かい人だとは

 思わないのです。

 非難するつもりは

 毛頭ありません。

 私にとって

 彼は

 火星人のような

 存在なのです。

 善意の火星人、

 いい火星人です」

 

 

クラウドソーシングの

 発展により、

「仕事のセグメンテーション」や

「時間のセグメンテーション」が

 さらに細分化され、

「0.1仕事」や

「0.1時間」的な

 仕事の仕方が

 これから

 増えてくるのではないかと

 思います。

「自分が空いた時間や

 会社の行き帰りに

 荷物を配達する」

 といったような

 ジョブのことです。

 そして

 これらを可能にする

 技術こそが、

 つまりは、

「0.1人のセグメンテーション」

 ×「0.1仕事」

 ×「0.1時間」

 における

 人とジョブの

 マッチングを可能にさせる

 アマゾンの

「0.1人のセグメンテーション」

 の技術なのです。

 

 

「顧客に対しては

 ただ単に

 顧客の声に

 耳を傾けていればいい

 ということではなく、

 顧客は常に

 より良いものを

 求めており、

 そのためにも

 アマゾンが

 顧客に代わって

 常に

 パイオニアとして

 新たな

 商品・サービスを

 提供することが

 重要である」

 

 

「従来の高速道路のような

 立体的な

 インターチェンジではなく、

 信号機のない

 通常の交差点を、

 自動車が

 高速のままで

 行き来できるようになる。

 すなわち、

 高速道路で

 インターチェンジ

 不要になるところまで

 自動運転技術の実用化が

 進む中で、

「位置情報技術

 ×AI

 ×IoT」

 などが交差する

 自動運転の分野、

 そして

 それと表裏一体で

 サイバーセキュリティが

 重要になる。

 同じ理由により、

 宇宙事業の分野など、

 最先端メガテック事業の

 分野においては、

 それぞれの

 最先端テクノロジー

 表裏一体の関係で

 サイバーセキュリティが

 これからの

 最注目セグメントになる」

 

 

ハーバード大学

 ジョン・コッター名誉教授は、

 大きな変革を

 実行する際に

 必要となるのは

 危機感を

 組織的に

 創造することである

 と指摘しています。

「ここでやらないと

 どうなるのか」

 という

 シンプルポイントについて、

 論理的

 かつ

 感情的に、

「ここでやらないと、

 取り返しが不可能な

 致命的な結果に

 なってしまう」

 ということを、

 意識及び潜在意識レベル

 双方で認識させることが

 大きな変革を実現するのに

 不可欠であると

 言っているのです。

 

 

・ベゾスに代表されているように、

 多くの

 成功した

 ビジネスパーソンや経営者に

 共通しているのは、

 足元の仕事

(ルーティン)を

 大切にし、

 ミッションやビジョンを

 重要だと

 思っていることです。

 そして、

 大きな実績を上げている

 優れた経営者ほど

 100年など

 長期のスパンで

 自分のミッションを

 考えています。

 

 

・AI時代において、

 未来を創る力、

 つまりは

 自分で

 問題や課題を

 見つけ出して

 解決に導く力が

 必須です。

 

 

・実際に、

 日本人の多くは

 クリティカル(ロジカル)・

 シンキングを学ぶ機会が

 提供されていないこともあり、

 課題や問題の設定が

 不得意とされています。

 クリティカル・シンキングとは

 批判的思考法とも

 呼ばれていますが、

 現状から課題を見出し、

 現状を分析したうえで、

 解決の仮説を立て、

 検証し、

 実行することです。

 論理的に思慮していくことも

 求められますが、

 最終的には

 与えられた問題を

 解決していくだけではなく、

 自ら合理性の高い

 問題設定や

 課題設定を

 行い、

 それらの解決策を

 見出すことが

 できるようにしていくのが

 クリティカル・シンキングなのです。

 

 

・ここで最も重要なのは、

 クリティカル・シンキングにおいては、

「論点を立てる力」と

「長期の目標設定を行う能力」とが

 同じスキルセットである

 とされていることです。

 

 

「組織の構成単位は、

 “小さな”チーム

 であるべきだ。

 アマゾン創業者の

 ジェフ・ベゾス

 かつて

 『ピザ二枚のルール』

 を提唱していた。

 一つのチームは、

 ピザ二枚で

 足りるぐらいの

 規模に

 とどめなければ

 ならない、

 という意味だ。

 小さなチームは

 大きなチームより

 多くの仕事を

 成し遂げることができ、

 内輪の駆け引きに

 明け暮れたり、

 手柄が誰のものになるのか

 思い悩むことも

 少ない」

 

 

「アマゾンは

 創業当初から、

 顧客のジョブを

 解決するための

 3つのポイント

――豊富な品揃え、

 低価格、

 迅速な配送――

 に常に

 意識を集中し、

 それらを

 実現できるように

 プロセスを

 整備してきた。

 プロセスには、

 この3つのポイントを

 どこまで

 達成できたかを

 分単位で測定し

 監視する機能も

 組み込まれている。

 最終目標は

 顧客のジョブを

 片づけることであり、

 すべては

 ここから逆算して

 設計されている」

 

 

・ジャック・マーは、

 10年、20年後の未来には

 ECが消滅し、

 オンラインとオフラインが

 融合した

「新しいリテール」

 が出てくるだろうと

 語っています。

 

 

「これからの

 30年を考えると、

 最大の富の源泉

――そして

 最も面白い

 文化的イノベーション――

 はこの方向の延長線上にある。

 2050年に

 最も大きく、

 最速で

 成長し、

 一番稼いでいる会社は、

 今は

 まだ

 目に見えず

 評価もされていない

 新しいシェアの形を

 見つけた

 会社だろう。

 シェア可能なもの

――思想や

 感情、

 金銭、

 健康、

 時間――

 は何でも、

 正しい条件が揃い、

 ちゃんとした

 恩恵があれば

 シェアされる」

 

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