ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ独学読書ノートNo.60 『経済は感情で動く はじめての行動経済学』マッテオ・モッテルリーニー著 ー抜粋19箇所

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『経済は感情で動く』

 はじめての行動経済学

   マッテオ・モッテルリーニー著

   泉典子訳

 

 

 

・あなたは

 ある軍隊の

 隊長で、

 600人の

 一団の

 勇敢な男たちを

 率いて、

 敵地のなかで

 敵軍に

 脅かされながら、

 困難な

 戦闘をするように

 命令されている。

 

 第一の場合。

 司令部からの

 知らせによると、

 兵士たちを

 待ち伏せ

 罠があって、

 もし

 二つの

 逃走経路のうちの

 一方を

 とらなければ、

 600人の

 犠牲者が

 出るだろう

 とのことである。

 Aを選べば、

 山岳地帯に

 逃げ込んで、

 200名が

 助かるだろう。

 Bを選べば、

 海沿いに

 進むことになり、

 600人が

 助かる

 可能性が

 三分の一で、

 一人も

 助からない

 可能性が

 三分の二である。

 あなただったら

 山と海の

 どちらの

 ルートを

 選びますか?

(なにしろ

 生死が

 あかっているのだから、

 慎重に

 選んでほしい)。

 

 第二の場合。

 司令部からの

 知らせによると、

 兵士たちを

 待ち伏せ

 罠があって、

 二つの

 逃走経路のうちの

 一方を

 とらなければ、

 600人の

 犠牲者が

 出るだろう

 とのことである。

 Aを選べば、

 山岳地帯に

 逃げ込んで、

 400名が

 犠牲になるだろう。

 Bを選べば、

 海沿いを

 進むことになり、

 その場合は

 死者ゼロの

 可能性が

 三分の一で、

 600名全員が

 死ぬ可能性が

 三分の二である。

 あなたは

 山と海の

 どちらの

 ルートを

 選びますか?

 

買い物をすると現金が戻ってくる♪【monoka】

 

フレーミング効果

→framing effect 。

 意思決定において、

 質問や

 問題の提示の

 され方によって

 選択・選好の

 結果が

 異なることがある。

 この提示の仕方を

「フレーム」

 と呼ぶことから

 名づけられた現象。

 標準的な

 経済学でいうところの

「期待効用理論」では

 選好・選択の

「不変性」を

 前提とすることから、

 それと

 はずれる現象の

 代表例。

 たとえば、

「手術するかどうか」

 の選択で、

 医者からの

「生存率95%」と

「死亡率5%」という

 提示は、

 中身は同じなのに

 受け取る印象が

 異なる。

 同様に、

 豚肉の表示で

「赤身80%」と

「脂肪分20%」は、

 意味は同じだが、

 後者の表示では

 お客が

 逃げてしまう。

 また、

 商品の

 値下げ表示で、

 比率表示か

 値下げ金額表示かは

 売れ行きに

 直結する。

 一般に

 商品では、

 ラベルの

 提示の仕方、

 パッケージ・デザイン、

 CMのキャラクター

 などによって

 売れ行きが

 左右される。

 各種の

 新聞報道では、

 %表示か

 実数表示かで

 印象が異なる。

 消費税が

「外税か内税か」で

 もめたのも

 記憶に新しい。

 

 

・白のセーターが

 欲しくて

 お店に

 入ったのに、

 店員の話を

 聞いたり、

 お店を

 回っているうちに、

 色の違う

 ジャケットを

 買って

 お店を

 出てきてしまった。

 あるいは、

 晩御飯の

 おかずに、

 魚を

 買いに

 スーパーへ

 入ったのに、

「お鍋セット」に

 目移りがして、

 それ以外にも

 いろいろ

 たくさん

 買ってしまった。

 これも

フレーミング効果」。

 大した

 実害は

 ないかもしれないが、

 買う前に

「本当に

 欲しかった

 商品なのかどうか」

 問いかけてみよう。

 

 

・商品の

 値引き表示は、

 比率表示がよいか

 金額表示がよいかは

「売り手」として

 頭の

 悩ませどころである。

 比率表示がよいのは

「一流ブランド物」

「高級品」

「(閉店につき、

 あるいは

 目玉商品につき)

 割引比率が高い場合」

 などで、

「ノンブランド品」

「低額の商品」では

 金額表示、

 すなわち

 通常価格と

 割引価格を

 ともに示すほうが

 よさそうである。

 

 

・行動ファイナンス

 心理でいうと、

 株の損切り

 ためらって

「塩漬け」にしたり、

 早く

 苦痛を

 回避するため

ナンピン(難平)」

(安くなった

 価格で

 買い足すことで

 購入価格の

 平均値を

 下げる)したり、

 利益が出たら

 すぐに

 売りに出して

 早く

 利益を

 確定させようと

 することの

 理由が、

「損失回避」

 である。

 それでは

 この

 逆の

 行動パターン、

「損を

 先にすることを

 恐れず」

 売るときには

 売り、

「利益が出ても

 しばらく

 様子を

 見ながら」

 我慢をすることで、

「利益(リターン)」に

 繋げることが

 できるだろうか。

 

 

「後悔回避」のために、

 判断を留保するか、

 判断の責任を

 誰かに

 押し付ける

 場合がある。

 自分が

 判断したのでなく、

 本や新聞に

 書いてあったから、

 専門家に聞く、

 委員会などで

 討議してもらう。

 しかし、

 専門家が

 必ずしも

「正しい」

 予想が

 できるとは

 限らない。

 

 

不良債権問題では

 金額が

 大きいために

 感覚が

 麻痺して、

 動くに

 動けない。

 宝くじでは

 大金が

 当たる

 確率は

 きわめて

 低いにも

 かかわらず、

 購入金額が

 少額なため

 気にしないで

 いられる。

 競馬の

 大穴狙いも

 宝くじと

 同じ理屈で、

 少ない金額で

 大きな夢を

 見られるため、

 やめられない

(「大穴バイアス」とよび、

 期待するほどには

 大穴は来ないにも

 かかわらず、

 小さな確率を

 過大評価する)。

 これらも

「損失回避」で

 説明できる。

 

 

・私たちの

 社会生活は

 絶対的に

 いい立場ではなくて、

 相対的に

 いい立場を

 選ぶことで

 成り立っている。

 

 

・A社は

 あなたに

 年俸500万円を

 払うという。

 この会社は

 すべての

 新卒者に

 500万円の

 年俸を

 払うことで

 知られている。

(この後、

 仕事の

 内容についての

 説明が

 続く)。

・B社は

 あなたに

 年俸600万円を

 払うという。

 この会社は

 新卒者に

 650万円の

 年俸を

 払うことで

 知られている。

(この後、

 仕事の

 内容についての

 説明が

 続く)。

 あなたなら

 どうしますか?

 

 

・人の

 感覚器官は、

 絶対値に対してより、

 変化や差異に

 敏感に

 反応する。

 夏に

 暑い

 外から

 急に

 冷房のある

 部屋へ

 戻ると

 肌寒く

 感じるように。

 お金の損得、

 仕事上の

 成功や失敗についても

 同様に

 変化に

 反応する。

 得と損、

 勝ちと負け、

 成功と失敗に対し、

 人は

 対称的には

 考えないようだ。

 アダム・スミス

 次の言葉が

 意味深い。

「我々は

 いい境遇から

 悪い境遇に

 転落するときには、

 悪い境遇から

 いい境遇へと

 上昇するときに

 常に

 享受するよりも、

 多くの受難を

 感じる」

 

 

・給与が

 増えたり

 減ったり、

 株やギャンブルで

 勝ったり

 負けたりするときの

 人の反応を、

プロスペクト理論」は

 次のように

 予測する。

 絶対水準ではなく、

 ある水準からの

「プラス・マイナス」で

(参照点依存型)。

 利得よりも

 損失に対して

 約二倍の

 価値で

 反応する

(損失回避性)。

 利得の

 場面では

 リスク回避的に、

 損失の

 場面では

 リスク追及的に

 振る舞う

(その判断は

フレーミング効果」に

 左右される)。

 確率に

 主観的な

 重みづけが

 加わる

(確率「1」の

 近くでは

「確実性効果」が

 働く)。

 

 

「参照点」は

 変化する。

 同じ業種でも

 賃金格差があり、

 同じ社内の

 同期の間でも

 格差が

 存在する。

 到達目標が

 参照点となる

 こともある。

 毎月の

 ノルマであったり、

 期の売上目標

 2億円であったり、

 痩せたい体重

 10キロであったりする。

 競馬などの

 ギャンブルでは

 負けが

 こんでくると

 参照点の

 設定が

 次第に

 上昇カーブを

 描く。

 ここで

 ひと言。

「価値関数」の

 グラフを

 見ても

 わかるように、

 利得も損失も

「金額が

 大きくなると、

 感覚が

 麻痺してくるので

 要注意」

(感応度逓減性)。

 

 

・人は

 金銭に対して、

 ほぼ

 無意識で

 処理される

「心の家計簿

(メンタル・アカウンティング)」

 を持つ。

 これによって、

 出費に伴う

 心理的痛みは

 異なる。

 たとえば、

 娯楽費と

 生活費、

 日常の買い物と

 旅先での買い物、

 一人のときの外食と

 恋人との外食、

 飲み会で支払うお金と

 本代、

 競馬やパチンコで

 当てたときの

 お金の使い道と

 通常の給料の

 使い道

 など。

 現金支払いと

 クレジットカード、

 あるいは

 ローンでの

 支払いについても、

「心の家計簿」は

 違うようである。

 

 

・今日は

 日曜日で

 お祭りがある。

 あなたは

「くじ引き」を

 やることにして、

 箱の中から

 玉を一つ

 選び出す。

 もし

「赤玉」が出たら

「1万円」もらえるが、

 ほかの色の

 玉であれば

 何も

 もらえない。

 でも

 くじ引きを

 始める前に、

 2つの箱

 AかBの

 どちらかを

 選ぶように

 と言われる。

 Aの箱には

 10個につき

 1個の赤玉が

 入っている。

 Bの箱には

 100個につき

 8個の赤玉が

 入っている。

 さて

 どちらを

 選びますか?

 

 

・人は

 どのような

 リスクを

 より高く

 評価するのだろうか。

①自分が

 選んだ

 リスクより、

 他から

 強制された

 リスク、

②自分で

 コントロールできない

 災害などの

 リスク、

③死者が出る

 リスク、

④めったに

 発生しない、

 マスコミで

 取り上げられている

 リスク

(利用可能性ヒューリスティクス)、

⑤映像的に

 悲惨な

 リスク、

⑥広い範囲で、

 すぐ近くで

 起きた

 リスク、

⑦特定の人だけを

 襲う

 リスク、

⑧一度に

 多くの被害者が

 出る

 リスク、

⑨なじみのない、

 新しい

 リスク、

⑩自然によるものより

 人工的なもの、

 先端技術による

 リスク

(遺伝子組み換えや

 放射線

 原発など)、

⑪次の世代、

 子どもたちに

 影響が及ぶ

 リスク、

⑫原因不明、

 謎、

 何が起きているのか

 わからない

 リスク。

 

 

・リスクでは

 提示の

 され方に

 注意を

 払えば、

 必要以上に

 神経質に

 ならなくても

 すむ。

 先に挙げた

「リスクを過大に評価する」

 原因以外に、

 提示の

 仕方によって

「アンカリング効果」

フレーミング効果」

「代表性ヒューリスティクス

 がはたらくと

 みなしたほうが

 よい。

 

 

・宝くじでは、

 番号が

 自分で選べる

 ロト4、

 ロト5、

 ロト6に

 人気が

 高まっている。

 当選者がいないと

 次回に

 賞金が

 持ち越されるのも

 人気の秘密。

 当たる確率は

 どれも

 同等であるのに、

 好まれる番号

 1、

 3、

 7、

 18

 などがある

 一方、

 好まれない番号

 9、

 13、

 42、

 49

 などが

 存在する。

 また、

 前回の当選番号が、

 次回には

 来ないだろうと

 思うのは

「少数の法則」による

 バイアスである。

 

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・競馬では、

 他の人が

 どのような

 馬に

 賭けるかで

 オッズが

 決まる。

 その日の

 最終レース

 近くになると、

 負けている人は

 負けを

 取り戻そうと

「大穴」志向に

 走る。

「大穴バイアス」が

 強く作用するため、

 堅い決着だったのに

 穴馬券になったり、

 小穴が中穴になったして

 結構おいしい。

 

 

・馬券の

 買い方には、

 複勝

 単勝

 ワイド、

 枠連

 馬連

 馬単

 三連複、

 三連単

 があり、

 一般に

 この順番で

 当たる確率が

 低くなる。

 とにかく

 当たりたいのであれば

 前者を、

 少ない金額で

 大きな夢を

 見たいのであれば

 後者を

 買うということになる。

「熱くならず、

 冷静に勝負したい」

 のであれば、

 賭けるレースと

 トータルの

 掛け金を

 最初に決めて

 買ってしまうことを

 お勧めする。