ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ独学読書ノートNo.59 『経済は感情で動く』マッテオ・モッテルリーニー著 ー抜粋16箇所

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『経済は感情で動く』

 はじめての行動経済学

   マッテオ・モッテルリーニー著

   泉典子訳

 

 

 

・あなたは

 次の

 二つの

 どちらかを

 選ぶように

 と言われた。

A:賞金は

  低いが

  もらえる

  確率は

  高い。

 (7000円が

  80%)

B:賞金は

  比較的高いが

  もらえる

  確率は

  低い。

 (7万円が

  10%)

 あなたは

 どちらを

 選びますか?

 

・さて、

 今度は

 先の

 AとBに

 金額を

 つけてみると

 しよう。

 お金に

 換算した場合、

 どちらのほうを

 高く

 見積もりますか?

 

 

・選考の逆転

→preference reversal 。

 標準的な

 経済学では、

 人の

 嗜好や好みは

 一定で

 変化しないと

 捉えるが、

行動経済学」では

 状況や文脈で

 変化するものと

 みなす。

 昼食に

「焼き魚定食」を

 好んで

 注文する人も、

「今日のランチメニュー」を

 見て

 別のもの

(「生姜焼き定食」など)を

 注文することは

 よくあることだし、

 イタリアンレストランで

「刺身」を

 頼む人は

 まず

 いない。

 飲み屋で

 いつも

「ビール」を

 真っ先に

 オーダーする人が、

 雪が降った日に

「日本酒の熱燗を一杯」と

 頼んでから

 ビールにもどる

 というのも

 よくあることである。

 行動ファイナンス理論では、

「目先の利益に

 目がくらみ、

 将来の

 大きな利益に

 目がいかない」ことを

「選考の時間的な逆転」

 といい、

「時間的非整合性」

 という。

 将来の

 自分の

 健康にとって

 タバコは

 やめたほうが

 よいとは思うが、

 目先の

 タバコの

 一服が

 やめられない、

 という

 現象も

 同じ理屈で

 解釈される。

 

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保有効果

→endowment effect 。

 自分が

 所有するものに

 高い価値を

 感じ、

 手放したくないと

 感じる現象のこと。

 カーネマンらは、

 この現象が起こる

 原因の一つは

「損失回避」にあると

 考えた。

 あるものを

 得ることに

 伴う効用より、

 いま

 持っているものを

 失うことによる

 痛みのほうが

 大きいと

 感じられる。

 したがって、

 ある品物を

 別の品物と

 交換しよう

 という

 提案を

 受けても、

 なかなか

 交換を

 したがらない。

 標準的な

 経済学では、

「手放す

 代償として

 受け取りを

 望む

 最小の

 金額」

(受け取り意思額)と、

 それを

「入手するために

 払ってよいと

 考える

 最大の

 金額」

(支払い意思額)は

 大差がない、

 と考える。

 しかし、

 現実の人間は、

 そうは

 考えないようだ。

 

 

・あなたが

 ある有名な

 スポーツ用品メーカーの

 経営を

 任されたとする。

 その会社は

「インテリジェントな」

 走りを約束する

 革新的な靴の

 開発に、

 すでに

 10億円を

 投資している。

 その靴は、

 地面の状態や

 利用者の性格に

 応じて、

 必要な調整を

 自動的に

 してくれる。

 このプロジェクトが

 80%

 達成された

 段階で、

 同じ規模の

 ほかの会社が

 同じ特徴を

 備えた靴を

 すでに

 販売していることが

 わかった。

 その靴は

 プロジェクトを

 進めている靴より

 機能的だし

 値段も安い。

 さて

 質問。

 あなたは

 プロジェクト達成に

 必要な

 残りの

 20%を

 投資しますか?

 

CMで話題のミラブル plusはこちら

 

コンコルドの誤謬

→mistake of Concorde 。

 過去の投資が

 将来の投資を

 左右すること。

 実業家たるもの、

コンコルド機には

 ずいぶん

 投資したのだから

 それを

 スクラップに

 回すことは

 できない」とは

 いうべきではない。

 すでに

 多額の

 投資をした

 としても、

 投資を

 中止して

 その計画を

 放棄するのが

 将来の利益に

 つながるなら、

 そうすべき

 なのである。

 英仏が

 共同開発した

 超高速旅客機

 コンコルドは、

 開発の中途で、

 たとえ

 完成しても

 いくつかの

 理由で

 採算が

 とれないことが

 予測された。

 が、

 それまでに

 投資した

 開発費が

 巨額だったために

 突っ走り、

 完成はしたが、

 結局、

 赤字は

 さらに

 膨らんだ現象から、

 この呼び名が

 つけられた。

 

 

・サンクコスト(効果)の

 過大視

→overestimate of sunk costs 。

 埋没費用の過大視。

コンコルドの誤謬」と

 同じ意味で、

「先行投資額が

 巨大だと、

 損失回避の傾向から、

 人は

 未来の予測を

 しばしば

 誤る」

 

 

・アンカリング効果

→anchoring effect 。

 船が

 錨(アンカー)を

 降ろすと、

 錨と船を

 結ぶ

 友綱の範囲しか

 動けないことから

 くる比喩。

 最初に

 印象に残った

 数字や物が、

 その後の

 判断に

 影響を

 及ぼすことをいう。

 日常の

 買い物から、

 ビジネスでの

 さまざまな局面、

 株の売買、

 コミュニケーション

 に至るまで、

 非常に

 広い範囲で

 起きる現象である。

 たとえば、

 1万円の

 値札が

 赤線で消され

 7000円に

 直してあれば

「安い!」

 と感じる

 衝動買い、

 ある株の

 売りの

 タイミングで

 頼りにする

 指標としての

「最も高かったときの株価」

 である。

 

 

・通販での

 試供品の

 提供の意味。

「使ってダメなら

 一週間以内で

 返品してください。

 お値段は

 無料です」

 ――めったに

 返品されないことを

 通販業者は

 知っている。

(まだ

 買っても

 いないのに

保有効果」が

 はたらく)。

 宗教の

 勧誘も

 似たような

 テクニック。

「無料の雑誌」を

 自宅へ

 持ってくる。

 無料の

 集まりに

 一緒にいこう

 と誘う。

「自分のもの」に

 なっただけで、

 人は

 手放すときには

 二倍以上の

「値段・価値」を

 つける。

(お金、物に限らない)。

 

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株式投資先の

 保守性。

 地元の

 企業、

 知人が

 その会社に

 勤めている、

 前に投資して

 儲かったことがある

 など、

「理由がある」。

 いま

 持っている

 株を

 なかなか

 手放そうとせず、

 同じ株に

 次々と

 資金を

 投入する。

 新しい株へ

 なかなか

 目がいかない。

 これも

保有効果」。

 

 

・自分の

 失敗を

 認めたがらない

コンコルドの誤謬」は、

 経営者として

 最悪のパターン。

 間違ったと

 気づいたときに

 撤退する

 勇気がない人が、

 経理をごまかしたり、

 別なところへ

 無理な投資をして

 損を重ねる。

 

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・会議で

 最初の

 発言者の

 意見に

 ひっぱられ、

 話が

 ぐるぐる

 回って

 なかなか

 決まらない、

 ユニークな

 発想が

 出てこない。

 ある人の

 意見を

 聞いたとたんに、

 自分も

 同じことを

 考えていた

 気分に

 おちいる。

 これも

「アンカリング効果」。

 

 

ヒューリスティクス

→heuristics 。

 人が

 意思決定をしたり、

 判断を下すときには、

 厳密な論理で

 一歩一歩

 答えに迫る

 アルゴリズムとは

 別に、

 直感で

 素早く

 解に

 到達する

 方法がある。

 これを

 ヒューリスティクス

 という。

 日本語では

 簡便法、

 方略、

 目の子算、

 発見法、

 近道などと

 言われる。

 短時間で

 苦労なく

 満足がいく

 結果が

 得られる

 という

 利点がある

 一方で、

 ときには

 思わぬ間違いを

 犯すこともある。

 トヴェルスキーと

 カーネマンは、

 確かな

 手がかりのない

 不確実性状況下で、

 人は

 ヒューリスティクス

 とりがちだが、

 そのために、

 ときに

 非合理的な判断と

 意思決定をすることを

 実証した。

 このことを

ヒューリスティクスによる

 バイアス(偏り)」が

 生じるという。

 彼らは、

 人が

 合理的な

 判断をすることを

 否定したのではない。

「完全合理性」の

 人間像を

 仮定した

 標準的な

 経済学の

 誤りを

 指摘したのである。

 判断の偏りは

 非合理的だが、

 一定の傾向を

 もっており、

「予測可能」で、

 それが

 経済に

 大きな影響を

 もたらすなら、

 それを

 取り込んだ

 理論構築へ

 向かうべきだ、

 と考えたのである。

 

 

・テレビで

「納豆を食べると痩せる」

 という

 番組があった

 翌日には、

 スーパーの棚の

 納豆が

 品薄になった。

 冷凍食品

「中国産餃子」の

 農薬混入問題の

 報道。

 冷凍食品に

 占める

 中国産の割合を

 示す

 円グラフが

 示されて

「大変だ、

 大変だ」

 の大騒ぎ。

 冷静に考えれば、

 餃子が

 食べたくなったら、

 冷凍食品に

 頼らず、

 材料を

 買ってきて

 つくればよい。

 テレビやマスコミに

 躍らされては

 いけない。

 グラフや

 数字、

 確率に

 だまされては

 いけない。

 普通に考え、

 普通に動くことの

 大切さ。

 

 

・野球評論家の

 話のうち、

 事が起こってからの

「後知恵」的説明は

 話半分に

 聞いておくとよい。

 結果を

 知っていれば、

 あなただって

「評論家」になれる。

 

 

・株価の予測は、

 どうしても

 自分(の持っている株)に

 甘くなりがち

(「現状維持バイアス」が

 はたらく)。

 

 

・「ヒューリスティクス」、

 直感は大切。

 ときには

 わが身を

 助けてくれる。

 でも、

 それが

「バイアス」となる。

「両刃の剣」ないしは

 調味料。

 これがあるから、

 人生は

 また

 愉しい。