ひーぶろぐ。

読書していたときに心に触れた言葉を残しています。

ひょっぽこ読書記録No.143 『手と足と目と口』タルムードより

 

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《手と足と目と口》

 

 

 

 ある国の王様が、

 不治の病に侵された。

 どんな医者も

 治すことができず、

 王様は

 どんどん

 衰弱していった。

 そんな中、

 ある祈祷師が

 通りかかって、

 病気の診断をした。

「この病気を治すには、

 世界で最も

 手に入りにくいと

 言われている、

 母ライオンのお乳を

 飲ませるしか

 ありません」

 そこで、

「母ライオンのお乳を

 持ってきた者には

 どんな褒美でも

 取らせる」

 とお触れが出された。

 

 とはいえ、

 母ライオンは、

 子供を守ろうとして、

 近づくものは皆

 かみ殺してしまう。

 褒美は魅力的だったが、

 国中の人々は怖がって、

 ライオンのミルクなど

 とても取りには

 行けなかった。

 

 しかし

 一人の若者が

 これに挑んだ。

 彼の目と耳が相談し

 母ライオンを見つけた。

 いろいろ考えた末に、

 母ライオンに

 羊の肉を与えて

 一歩近づき、

 また次の日も

 肉を与えて

 一歩近づき……と、

 これを

 何日も繰り返して

 近づく方法を

 思いついた。

 若者は

 この方法を

 勇気をふるって

 実行に移した。

 そして

 何日も繰り返して、

 両手、両足、両目は

 母ライオンの

 乳房のところにまで

 近づいた。

 若者は

 ついに

 母ライオンの

 警戒心を解き、

 母ライオンの

 新鮮なミルクを取ることに

 成功した。

 

 ところが、

 いざ

 王様のところに

 ミルクを

 持っていこうとした時

 両手、両足、両目が

 喧嘩を始めた。

 両目が言った。

「この俺が

 母ライオンまでの距離を

 正確に目測し、

 一歩一歩近づくことが

 できたんだ。

 だから

 俺が

 一番多く

 褒美をもらうべきだ」

 そう言われて

 両足が反論した。

「何を言う。

 この俺がいたからこそ、

 もし

 ライオンが襲ってきても

 逃げることができた。

 一番大切な役割だ。

 もちろん

 一歩一歩

 近づいたのも

 俺だ。

 だから

 俺が

 一番多く

 褒美をもらうべきだ」

 そこで、

 両手が我慢できずに

 こう言った。

「何を言う。

 母ライオンの

 乳を搾ったのは

 俺だ。

 それこそが

 一番大事な

 役割じゃないか」

 

 両目、両足、両手の

 論争を聞いていて、

 今まで何もしなかった

 “口”が

 初めて口を開いた。

「両手、両足、両目も

 言っていることは

 全然なっていない。

 この俺こそが

 一番

 褒美をもらうべきだ」

 これには

 両手、両足、両目も

 大反論する。

「何を言っているんだ。

 お前は

 何もしていないじゃないか。

 したがって、

 お前の褒美は

 何もないぞ」

 

 ところが

 ミルクを

 王様に届けた時に

 口が勝手に叫びだした。

「王様、

 ここに

 犬のミルクを

 持ってまいりました。

 これで

 王様の病気は

 直ちに

 全快するはずです」

 この言葉に

 王様は大激怒した。

「母ライオンのミルクを

 持ってこいと

 言ったはずだ。

 なのに

 犬のミルクを

 持ってくるとは

 何事だ!

 ふざけたやつだ、

 即刻処刑せよ!」

 両手、両足、両目は

 王様の剣幕に

 震えあがり、

「おい、

 頼むから

 本当のことを

 言ってくれ」

 と口にお願いした。

「それみろ、

 口こそが

 一番重要なのだ。

 褒美は全部

 俺がもらうぞ、

 いいのか?」

 両手、両足、両目は

 しぶしぶ

 頷くしかなかった。

 

 

・口こそ

 最大の武器である。

 プレゼン力を磨け。

 

 

「討論は

 一種の芸術であり

 信用だ」

 とユダヤ人は

 言っている。

 だから

 ユダヤ人は

 とことん質問する。

 そうすることで

 真理が

 見えてくるのである。

 

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